落語っていうのは約束事の一つとして会話の時、目上・目下や身分の上下で喋る方向が決められています。
大家さんは上手にいるからいつも右下向きに喋り、与太郎は左向きに話します。
落語家の方はこれを身体で覚えているはずです。
故・立川談志はある日、この芸を全部反対のパターンで見せたことがありました。
テレビで僕はそれを見ました。天才の玄人芸ですね。
先日。まあまあのご老人に
「田中くん。そういえばこないだの『赤シャツの逆襲』見たんだけど、
僕は坊っちゃんを読んだことないから、さっぱり面白さが分からなかったよ」
と言われ・・笑、それは失礼しました、と申し上げました。
立川談志の凄さも落語の約束事を知らなかったら、なんてことないわけです。
・・ま、時々僕にはそういう感想や批判にさらされることがあるんですが、それがないのが戒田アナ率いる「みかん一座」。
誰もが分かるストーリー。笑い、涙。それをきちんと続けています。それは掛け値なしに凄いことです。
本当の「玄人芸」とはこういうことなのかもしれません。
だから年下ですが彼女のことを尊敬しています。
この4月末で南海放送を定年退職する戒田節子アナウンサー。
退職記念の舞台が決まったようです。
退職辞令と花束を持って駆けつけようと思います。