『何故かあなたを思い出す』

In Categoryヒコヒコ日誌
By田中和彦

父方の祖母に懐いていたおばあちゃん子だったせいか、なにかにつけて未だにアレコレ思い出します。

3歳くらいの時。よく松山に連れて行ってもらいました。
(よく考えたら、今の僕は当時のおばあちゃんの年齢です)

お大師さんへのお参りがおばあちゃんの目的だったけど、こっちはお昼ごはんの「みつごし(三越デパートの事を何故か伊予市の人は濁音で言っていたのです)」のチキンライスがなによりも楽しみでした。

伊予鉄郡中線の駅を通過する毎に、次の駅を車掌さんより得意げに先に言う・・・ガキ。

「新川」「地蔵町」「松前」

すると、おばあちゃんが「カズヒコは賢いね」と頭を撫でてくれる。

うん。と答えて窓の外を向き直して、更に張り切3歳児(笑)

ところが、帰りの電車の記憶はなにもないのです。

駅名を言って褒めて貰って。
チキンライスを食べたら・・・それで“小旅行”の楽しみは終わりだったせいかもしれません。

高校2年の秋にそのおばあちゃんは亡くなりました。
ショックを受けた僕は、おばあちゃんの為に 生まれて初めて書いた小説を文芸部の会誌に出します。

凄く下手な文章でした。
(読むたびに道を誤らなくて良かったと思います・・・)

何故、こんなアタフタした出張のさなかにおばあちゃんを思い出したのか?!

さっき食べたオムライスの中のチキンライスのせいか?!

それとも・・・この山田屋まんじゅう(創業140年)のせいか?!