201510/21
山口放送の知り合いに頼んで、テレビ番組「奥底の悲しみ~戦後70年、引揚者の記憶」のDVDを見せてもらいました。
・・立ち竦みました。
昭和20年の古地図に残された「特殊婦人相談所」という場所が、山口の港町になんであったのか?
ほとんど90歳を超えている関係者の取材を丹念にしてまとめた作品です。
「特殊婦人相談所」・・満州から引き上げてくる途中、ロシア軍に陵辱され、暴行されて「妊娠」や「性病」に罹患したおびただしい数の女性たちのための場所でした。
僕のようにエンターテインメント番組しか創ってこなかった人間は、とにかく、その事実の重さに立ち竦みました。
戦争ものというと「反」とか「ナショナリズム」を煽るものが多くて、僕は辟易することが多かったのですが、さすが「正義」の山口放送。 (「正義の・・・」友人も尊敬する方も多いこの局を僕はいつもそう呼んでいるのです)
“煽るでなく、罵るでなく・・”を貫いたのは流石です。山口放送らしい。
今年度の日本放送文化大賞の候補作品の一つ。
「賞」云々などはもしかしたら、どうでもいいのかもしれない・・そんな気持ちにさせられる「作品」でした。
老婆がポツリ言った一言が胸に残りました・・「戦争に負けるということは、そういうことなんです」
制作ディレクターと山口放送に脱帽です。