201410/15
宝厳寺 第53世住職 長岡隆祥さんの葬儀が今日行われました。
和尚との思い出はなんといっても2008年11月3日のことです。
この年は南海放送55周年で、僕は「一遍イヤー」にしたいという企画書を書き上げました。
具体的にはラジオ・ドラマ「SAINT IPPEN~永遠の嘘をついてくれ~」とラジオシンポジウムを春に、
秋にテルスターホールを使っての舞台「いっぺんの欠片」を上演するというものでした。
一遍上人生誕の地と言われている道後の宝厳寺に出かけ、11月に舞台の成功祈願祭をできないか?
舞台で披露する「おどり念仏」のダンスのパフォーマンスを境内で一般公開したいのだが・・・」とお願いしました。
にこやかな笑顔で二つ返事の了承をうけた数週間後、和尚から、
「田中さん。大変なことになったよ。こないだの話を鎌倉の遊行寺(時宗の総本山)に伝えたら、
法主がこちらに向かうと言うんだ」
で、11月3日。
当時90才でいらした時宗の法主(トップ)真円上人が6人ものお坊さんを従えて祈願祭にとやってこられました。
はるか雲の上の存在であるはずの方がいらっしゃるイベントになったのです。
一ローカル放送局の芝居の成功祈願に、です。
それだけ宝厳寺は、一遍上人生誕の地として大切にされているお寺なのだということです。
去年の夏。
火災で本堂を失った時の長岡和尚の悄然とした横顔を今も忘れることができません。
すでにその時は病魔と戦っておられました。
思い出はつきません。
僕にとって一遍上人と長岡和尚は同じ人に思えます。
ありがとうございました。