かつて、南海放送のテレビ番組「熱血ボウリング部」やラジオ番組「真昼間のシンデレラ」などで活躍してくれたYちゃんの結婚式が、
台風11号のさなか8月9日(土)に横浜でありました。
本人も言っていましたが、彼女、現役時代から「雨女」でした(笑)。
「父親代わりにバージンロードのエスコートをしてくれませんか?」とYちゃんからリクエストされて、二つ返事。
なにせ息子しかいない身なので、そういう役が人生の中でできるとは思っていませんでしたから・・。
さて本番。
新郎が待つ礼拝堂の大扉の前で“スタンバる”(業界用語です・・笑)花嫁と僕。
係員のお姐さんが「あーして、こーして」と最終の約束事を確認しているのですが、耳に全く入ってきません。上の空(笑)。
「緊張するねえ」
「はい。緊張します」
「ただ歩くだけなのにねえ」
「はい。」
数々の放送の修羅場を経験してきた二人なのに。そして、テレビの生中継もないのに・・・(笑)。
ありがとうYちゃん=柳田さやか元アナウンサー。あなた以上に僕が幸せな気分に浸れました。

おまけに。ちょっといい話を・・・。
さっきも書いたように、なにせ8月9日(土)午後の結婚式。台風の影響で飛行機が飛ぶかどうか予測つきません。
土曜日中に松山に帰れるかどうかも分からず、日曜日に生放送を担当しているアナウンサー達は出席を断念せざるえなくなりました。
その中の一人にYちゃんが特に慕っていた先輩のTアナもいました。
Yちゃんが「仕方ないな」と思いながら、結婚式前夜の8月8日(金)夜10時頃に東京の自宅マンションに帰ってきたら、
ドアの前でTアナが「ヤッホー!」とサプライズ登場!!ずっとトイレも我慢して待っていたらしいのです。
「ゴメン。明日、出られなくなったの。だから、今日、顔だけ見に来ちゃったぁ!」
言葉の前に、Yアナの目から溢れる大粒の涙。
「Tさん、大丈夫なんですか!?」
「大丈夫。なんとか・・帰るって」
Tアナ・・寺尾英子アナウンサー。このまま、ありのままの人なのです。
だから後輩達にも「もぎたてテレビ」の視聴者の皆さんにも愛されているんでしょうね。
僕には真似ができません。

日本食研の創業者、大沢一彦会長にご挨拶に行きました。
30年ほど前に一度名刺交換をさせて貰ったのですが、
その時の僕の名刺が博物館に残されて、展示されていました。


-250x187.jpg)
“20万人に会ってきた”…と、お話になった大沢会長そのままの歴史がそこにありました。
食堂で、工場見学に来ていた宇和島の幼稚園児を見つけた大沢さん。
「田中君。名刺を一緒に配ろう」と僕を連れて、子供達の一群へ…。
「あの子供達にファンになって貰わないと、会社は続かないよ。」
…教訓。ありがとうございました。
僕などはサラリーマン失格ですね。
自分で創ってきたラジオドラマですら、台本や作品が散逸している。
(これは生来のダラシナイなさかもしれませんが・・・笑)
大沢さんは40年前の営業車第一号も、サビのついたまま記念館に展示されていました。
過去の最高の勲章。いや一番何を大事にしているか、ですね。
“反省”を両肩にしょって、今治を後にしました。ありがとうございました。
このコラム「ヒコヒコ日誌」の表紙用の写真撮影が先日ありました。
カメラマンに「笑ってください」と言われたのですが、モデルじゃないし「無理ですよ」と後ずさりしていたら(笑)、
ニュースキャスターのS君が僕の前に座って、自然に笑わせようということになりました。
僕の向かい側にはS君がいます。
「何を言ったら、田中さんに受けますか?」
「そうだねえ。S君が人生で一番、不幸だった出来事。不幸すぎてもう笑うしかない・・そんなエピソードある?」
一瞬、逡巡したS君。
「はい。あっ、ありました。中学生の頃、道端で犬のうんちを踏んじゃったんですけど、イヤだ~っと2、3歩前に逃げたら、今度は上から、カラスのうんちが・・・左の肩に落ちてきたんです」
ギャハハ。

・・・・というショットがこれです。
あえて、身内を褒めます。S君は本当にかわいい人です(笑)。
で、「この写真でいいですか?」と担当者。
「いいけど。前髪をなんとかしてくれない。パソコンで増毛修正するとかさ(笑)」
「それは、無理です!!!」
そばで、S君が笑っています。 僕以上にいい笑顔です。
ニュースCh.4に・・・幸あれ。
8月3日(日)。四国中央市で行われた第7回書道パフォーマンス甲子園で三島高校が優勝を果たしました。審査員室のなかにいて(僕に投票権はありません。南海放送賞についてのみ書きます)、その優勝の意味と先生方の評価がどうだったのか書いておきたいと思います。
審査は実に厳正です。プロの書家たちが厳しく点数をつけて、全員の合計得点で決まります。基本的には減点法で、すべての書かれた字のチェックがされます。ちょっと怖いですよね。そしてパフォーマンス評価や最終的な出来上がりの加点をしていくわけです。

三島高校書道部の伝統はイメージで言えば「硬派」で「愚直」。書道として字の一つ一つは完璧だけど、それ以外のプラスアルファがいつもなにか足りなくて、第1回の優勝後は頂点に立てませんでした。
審査員の一人が「三島はどうするのか?と思っていた。いまさら袴を脱いで踊りはじめてもなあ・・。でも今年はすごかった。字を書くというそれ自体のパフォーマンスをしてみせた。これが本当の書道パフォーマンスだ」と。
曰く。墨を落とす瞬間にストップモーションやスローモーションを入れてみせる。足で刷毛を使って何をしているのかと思ったら、それは武士の後ろ姿になっていました。足で書を書いたわけではありません。それは絵でした。書かれた文章にも三島書道部の「決意」と「覚悟」が・・。
覚悟の素敵が、武士の後ろ姿とオーバーラップして・・僕はじわじわ泣けてきました。
なんて格好いいんだ。格好いいということで、泣けるなんて・・・。
自分にないものがこれ。「覚悟」あるいは「勇気」だなと。

※尚、南海放送賞は高松西高等学校に差し上げました。オーソドックスで美しい「紫」のイメージが実にテレビ的だったのです。
