「会社を辞めた」  

昨日、久しぶりに大学時代からの友人に会ったら そう言われた。
びっくりした。

私に話す事が幾つかあったので「会えてちょうど良かった」と言いながら
最初に切り出した話しが「会社を辞めた」話だった。
おいおい。
しかし私が動揺する前に「盆明けから新しい会社に行く」 と付け加えた。
そかそか。
辞めた理由は会社と喧嘩別れしたでも、寿なわけでもなく残念だが、
次の仕事が見つかって良かった良かったと、
その間の苦労も知らず、ええ時にだけ再会してしまった。 

新しい門出を祝し、まだサマーセールの名残りあるデパートで再就職祝いを買うことにした。
・・・のに、サマーセール品には目もくれず、最新モードの靴を指差した。
おいおい。
ま、いっかと、もらいものの商品券で再就職を祝った。

デパートのエスカレーターを下りていくと、帽子のセールが見えた。見た。
ハンカチもセールだった。見た。
雨傘もセールかも?と見たらセールだった。買った。
見る予定ではなかった財布のセールまで目に入った。

・・・買った

かなりの予定外。
友人の靴は就職祝い。
私の財布も何か理由付けしたかったので、「本町メディアパーク放送開始記念」と、することにした。

確かに、今の財布の紐ならぬホックはゆるくなっていた。
しかし、予定外の財布を買ってしまったのは
想定外の無駄な装飾が施されていたから。
「 邪魔だろ!その飾り!」

―― でも、そこがツボにはまった。

箱に入れてくれた。
チラッ
財布も箱入り。