よかった。
どうでもよくなかった。
どちらが勝ってもよかった。
どうでもなんて、よくなかった。
出来過ぎの夏の高校野球、決勝再試合。
あだち充がこのストーリーを思いついても
描くのをためらってきたことだろう。
―― だって、漫画みたいだもん。
よかった。
東京にも北海道にも生まれず、
駒澤にも早稲田にも進まず、
先入観もなく肩入れもせず、どちらをも応援できた。
どちらが勝ってもよかった。
どちらが勝ってもおかしくなかった。
投手2人がまだ投げていられる方がおかしかった。
―― 仕組まれてる
こんなドラマティックな試合、神様が仕組んだに違いない。
じゃなきゃ、
近未来に連載される人気野球漫画・実写版を先に見てたに違いない。
そんな冗談が口をつくくらいのいい試合を、ありがとう。