街に用があったので
雨の中、(原付)バイクで走った。
雨なのでバッグは持たず、財布と携帯だけポケットに突っ込んで
カッパを 翻しながら走った。
そりゃまあ 足元手元首元びしょ濡れになった。
6月も中旬だというのに、会社に帰り着いた時は「寒゛っ」と身震いした。
着替えて温まろうと、濡れた上着を脱いだ時 気が付いた ―― 軽・・い。
財布という名の、セカンドバッグ並みに重い私の財布
ポケットに収めた記憶は確かにある。 のに、ない。 財布が、ないっ!!
脱いだばかり濡れ上着を羽織り、再びカッパを翻して今通った道を走った。
「 あたしのバカ!どーしてポケットになんか入れたんだーーっ!!」
セカンドバッグ並みに厚い財布、落ちていれば少々距離があっても見つけられる!
・・・ただ、アースカラーなため、道路になじんでいるかも・・・
寄り道した小道、駐車している車の下、側溝、歩道、・・・皿のような目をした 怪しいカッパ女。
思い出される見られてはいけないもの・・
ああ、神様!
電車に踏まれていてもいいです、お金抜かれていてもいいです、財布だけは!
結局、ドシャ降りの中、松山中心部をぐるぐる3回走った。 ・・でも、なかった。
失意のどん底で、警察に電話をした。
財布の特徴を言った。 ただ、セカンドバッグ並みの、というのは省略した。
おおよその金額も言った。 朝、1万円のピン札を入れた所だった。
時間や場所、他に何が入っているか・・・ 全部は言えない。聞かないで。
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長くなるので、結論から言いますと、 見つかりました!
親切な方が拾って、交番に届けてくれていました。
あのドシャ降りの中、あまり濡れていなかったのはすぐ拾ってもらえたから。
・・・そう、落ちていれば どうやっても目に止まる デカ財布。
本当にありがとうございました。
交番に行く用はなかったでしょうに、わざわざ遠回りして下さったんですね。
本当に、本当にありがとうございました。
この雨粒の数だけ貴女に幸福が降り注ぎますように。 ああ、雨さえ愛おしい。
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交番に引き取りに行った時、中身を確認し記載した用紙があった。
現 金 〇円
カード 〇枚
そば〇お食事券 500円券 3枚 ――― きゃっ。