丹下ちゃんにストップウォッチを貸したら、なくしたらしい。
なにぃ!
・・と言っても、私が直接手渡したわけではないので、
間接的に受け取った彼女は、私のストップウォッチとは知らないまま使っていたと思われる。
そして今も、無くなったのが私のストップウォッチだとは知らないはず。
こら!
手渡す時に 「これは寺尾さんのだから」 と 一言付け加えてくれていれば
丹下ちゃんは意地でも ストップウォッチを抱えて帰ったはず。
私の私物を無くそうものなら 鉄拳が飛んでくることを知っているだろうから。
とは言え丹下、誰かに物を借りたら 借りた人に返しなさい。
貴女が悪いわけじゃない。
戦場のようなドタバタの中で、貴女は確かにどこかには返したのだから。
でも、もし廊下で私を見かけたら隠れなさい。 さもなくば、打つ。
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・・・あ、丹下は黒帯だった。やめとこ。