なんだかんだで9時に なってしまった
なんだかんだで9時を 待ってしまった

取材途中の車の中で、ひろひこさんの訃報を知った

アナウンサーになって、半年後に初めてラジオ番組をもたせてもらった
担当ディレクターが ひろひこさんだった
洋楽番組だったから、部長がひろひこさんにDをお願いしたのだろう
・・・ひろひこさん、ごめんなさい。
洋楽ドド素人で、喋りもドド素人・・どんなに歯がゆかったかと、今ならわかる

アナウンサーになって、1年目に放送中のスタジオの隅でお喋りしてて怒られた
温厚なひろひこさんに怒られて、猛省しながらスタジオを出た
いったい何年前だ? 忘れられない・・怒られたのは一度きり、今は私が怒る役目

追悼番組をやると知ったけど、取材も早く終わったし
たまったメールに目を通して帰ろうと思っていたのに
なんでかなぁ~、目を通し終えたらちょうど、ちょうど、9時になってしまった

ラジオから、ひろひこさんの笑い声が聞こえる
スタジオのヒコ殿は、老眼鏡をかけている(カッコいい白ブチ眼鏡)
往年のリスナーさんからのメールが紹介され、ひろひこさんの声が流れる
ラジオだけ聞いてたら、何十年か前にタイムスリップしてくみたい
何が変わって、何が変わらないんだろう
何が去って、何が残るのだろう

ひろひこさん、ちゃんと謝ってないのに
今なら、時効だよって許してもらえそうなのに

だめだねラジオは、そこに 林ひろひこが いるみたい

それでかなぁ~、もう一度会える気がして
スタジオのそばで、9時を待ってしまった

また来てね ひろひこさん 記憶の中に、音楽の中に
また、ラジオでね。