ザッパなO型と思われがちだが、私は用意周到だ。
持ち歩いているかばんは いつもパンパンで、
「重っ・・何が入ってるの?」 と 驚かれることもしばしば。

  「いつでも夜逃げできるように」

「いつでも駆け落ちできるように」 じゃないところが哀しいが、どちらにしろ予定はない。
必要なものは大概入っている鞄なのだ。 爪切りとか毛抜きとか (←常備携帯する必要が?)
―― が、
今日に限って、鞄から財布と携帯だけ取り出して映画に行ってしまった。

映画が始まって、5秒後には後悔していた。
―― しまった、ハンカチを忘れた! もちろん ちり紙も置いてきた。
映画が始まって10秒後には、泣いていた。
まだ何も起こっていないのに、泣いていた。
・・・ 病んでるな、あたし。

「どこで泣いた?」「何回泣けた?」 ― 映画を鑑賞したあとそんな会話をした事があるだろう
今回に限っては、どこでもここでも ずっと泣いていた。 ほんの2時間。 ほほの乾く暇もなく。
・・・ ちょっとアホだな、あたし。

大変なのは 涙と鼻水の処理だった。
2時間分の水分を吸収してくれるものを置いてきてしまったので、さあ困った。
大抵は 泣いているのがバレないよう 垂れ流しにしておくのだが、間に合わない。
身の回りを見渡した。
ナイロン100%のジャンパー・・・ ジーパン・・・よりは、これだな。
ということで、暗闇の中、着衣の一部をハンカチ代わりに映画を鑑賞した。

  よかった、綿100%を着ていて。
  これが、ウール100%だったら、
  映画を見終わる頃には つんつるてんに縮んで ヘソが見えてたな