ある女優さんが 「 京都は めりはりがあった (←要約) 」 とおっしゃっていた。

夜になると、店は閉まり 買い物もままならない。
早く行かなくちゃ、閉まっちゃう! ・・・ 的な。

現代では不便な話かもしれないけど、本来 夜は夜なのだ。
街に暮らすと、昼も 夜も 夜中も あまり境界がない。
買いたいものは 何時でも大抵 手に入り、
見たいものは見逃しても見る手段が豊富にある。
お風呂はいつでも入れて、電話をかけるドキドキもない。
寝ると損、遊ばないと損、24時間いつだっていいじゃん!
―― 便利で自由。 けれど なぜか殺伐としている。

めりはりがないからか・・ と、ハッ とした。
あらゆる境界がなくなっている
時間や、空間や、感情の、 

以前、宇和町で 静寂に包まれた夜の中町を歩いた時、
心が落ち着いたのは そんな めりはりを感じたからかもしれない。
灯りがもれる家の中から かすかに子供の笑い声が聞こえていた。