子どもたちの笑顔のために「ラ・ファミリエ」

ニュース解説

「医者は病気を治すことを考えるんですけど、病気を治しただけでは、その子どもたちが大人になったときに、全ては解決してないということに気づいたんですね」―。

病気の子どもやその家族を支援する認定NPO法人ラ・ファミリエの檜垣高史理事長(愛媛大学大学院医学系研究科教授)は語ります。

(ラ・ファミリエ 檜垣高史理事長)

以前このブログやラジオで何度か紹介させていただいたラ・ファミリエは、入院している子どもの家族が滞在できる施設「ファミリーハウスあい」の運営や、病気の子どもたちが復学するためのサポート、また、成長して仕事を持つ年齢になったときの就労の相談支援など、あらゆる方面の支援を展開しています。
病気の子どもを支えるラ・ファミリエの取り組み
地域や学校にもどる糧
「学びたい」をかなえるために

小児科医として30年以上子どもたちを診てきた檜垣さんは、病気を乗り越えた子が、社会に出ようとするとき、長い入院などによるいろいろな経験不足から、うまく就職できなかったり、就職しても長く続けられなかったりといった問題を抱えがちであることに気づきます。
療養をしながらそんなに無理して働かなくても、と当初思っていた檜垣さんでしたが、担当したある子が、障碍者雇用で働けるようになり、外来で診察にやってきたときに、“先生、ほっとした、働けるようになって、なんか落ち着いた”と言った言葉が、就労支援に力を入れるきっかけになったと話します。

「自分が社会の中で貢献できている、自分が求められていると思えることは、とても大切なことではないかと感じたんです」―。

子どもが重い病気を抱える、入院し長い治療をする、頑張って乗り越える、よかったね、学校行けるね、社会に戻れるね…そんな単純な図式でとらえがちですが、その行間には、子どもにとっての唯一の“社会”である学校と引き離され学ぶ機会が奪われる不安、遠ざかっていた学校や同級生のコミュニティに戻れるのかといった心細さ、病気を抱えながら普通の生活に戻れるのかといった心配や、成長段階に応じたコミュニケーションの経験不足など、さまざまな困難が待ちうけています。
そのひとつひとつに寄り添いながら、いっしょに解決していくサポートを、ラ・ファミリエのみなさんが行っているのです。

「ずっと入院していると、退院するのが怖いんですよ」-。
ぽつりと語った檜垣さんは、小学校4年から6年まで、養護学校で過ごしました。
当時のことを問うと、「今から振り返れば、全然大変な思い出にはなってなくて、いい思い出になってるんですけど」と笑う檜垣さんですが、その経験が、小児科医を目指すきっかけになったと言います。

もしかすると、その時に感じた不安や孤独な気持ちが、病気の治療だけでない、“その子の人生に寄り添う”今の活動につながっているのかもしれません。

毎週土曜日午後4時から放送のラジオ番組「ザ・VOICE」のゲストとして、檜垣理事長に出演いただく番組収録の直前に、ラ・ファミリエの、今年度の南海放送賞受賞の第一報が入ってきました。

(ラ・ファミリエのジョブサロン/松山市問屋町)
(相談支援を行う西朋子さん)

以前ブログでもご紹介し、“困ったことはどんなことでも全力で助けます”と語っていた理事の西朋子さんから「本当にやっと・・・という想いで涙が出ました」とのメールをいただきました。
子どもたちの素敵な未来のために、全力で支援するラ・ファミリエの18年にわたる地道な活動が、少しでも多くの方に伝わり、支援の輪が広がることを願ってやみません。

12月19日(土)午後4時~放送の『ザ・VOICE』のゲストは、認定NPO法人ラ・ファミリエ 檜垣高史理事長です。ラジコなら放送後1週間はいつでもお聞きいただけます。

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この記事を書いた人
永野彰子

入社32年目、下り坂をゆっくり楽しんで歩いています。
ラジオ「ニュースな時間」で出会った人たちの、こころに残ることばを中心にお伝えできればと思います。

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