激戦!3区~関ケ原はどこだった?

ニュース解説

4小選挙区に12人が立候補した
衆院選は自民党が全勝、
激戦の末、敗れた
立憲民主党の前職が
比例復活で議席を死守しました。

3区の激戦は予想していました。

しかし投票日夜、
ある与党関係者に聞いたところ
「勝ったでしょう。
その判断には
相応の理由があります」と
答えました。

その人物は
「これからテレビ5台並べて
番組を見させていただきます」と
余裕すらみせました。

結果には理由があるのです。

◆勝負を決定づけた四国中央市

四国中央市の票差が
勝敗を決定づけたと思います。

元四国中央市長の井原巧さんが
おひざ元で勝利するのは当然ですが
1万1000票超の差は予想以上。

白石陣営はそう感じたはずです。

実は、この大差の伏線が
4月の四国中央市長選にありました。
(篠原実市長は井原さんの盟友)

自民党の地元県議らは
4月の市長選を、
年内の衆院選の前哨戦と
明確に位置づけ、
自民党県連の重鎮で、現職の
篠原さんの選挙運動を通じて組織を固め、
ほころびがあれば繕い、
準備万端、”戦闘態勢”を整え
白石さんを一昨日、迎え撃ったのです。

井原さんも県議、四国中央市長、
参議院議員を経験した
百戦錬磨の選挙のプロであるにも関わらず
「相手は現職、現職は手ごわい。
自分は挑戦者」(井原さん)と
決して油断しませんでした。

ふんどしの締め方が
尋常なくキツかったのです。

◆西条も側面援護?

逆に、西条市は白石さんの地盤、
さらに
立憲民主党の主な支持基盤である
労働者(労組票)の多い地域です。
こちらは白石さんが勝って当たり前。
その勝ち方が問題です。

ここで四国中央市の負けを取り戻し、
イーブンの状態で、大票田
新居浜市での勝負に持ち込みたい・・・
白石陣営の描いた戦略だったはずです。

ところが、
野党共闘が思わぬ
”アレルギー反応”を産みました。

野党共闘は「候補者調整」
つまり、共産党候補が出馬せず
野党票が分散しない利点はありますが
労働組合票を分断させる
”諸刃の剣”だったのです。

この”アレルギー反応”は
公示早々、指摘されていました。

「共産党との共闘は
労働組合の中でも
共産党の主張に同調できない
労組票を逃がしてしまう」

「反原発政策は
電力関係の組合票を失う」

いずれも西条市の議員ら
政界関係者の見立てです。

そしてポイントは
その票が誰に向かうのか?でした。

組合票が
自民党の井原さんに流れるのは
過去の経緯や
労働組合の常識では
考えられないからです。

しかし、
「仮に井原さんと書いてもらえば
実質、白石さんの票が
井原さんに入ることになり
それは、井原さんに
2票入ったことと同じ」(西条市民)。

こうした動きを後押しする
具体的な動きもありました。

結果は?

▽前回2017年の衆院選で
白石洋一さんと共産党候補を合わせた
得票率は62%

▽今回の衆院選での
白石洋一さんの
得票率は55%

野党共闘がうまく機能したかどうかには
疑問符が付きます。

◆野党の議席死守は
愛媛にとっても重要

最後の決戦の場、新居浜市で
白石さんは勝利したものの
やはり最後まで
四国中央市の票差が
ボディーブローのようにききました。

私は
白石さんは新居浜市で、よく票を獲ったと
感じています。

白石さんは
市別に見ると2勝1敗なのですから。

*****

公示前、
白石さんに密着取材しました。

その時の言葉が忘れられません。

「最後は想いの強い方が勝つ」。

政治家の言葉としては
あまりにロマンチックで
最初、「ん?」と思いましたが
この言葉には色んな想いが
詰まっていたのだと
取材を重ねるごとに理解していきました。
(事情は地元の人なら分かるはず)

政治取材の面白さ、醍醐味は
”人間ドラマ”にあります。

◆2人の勝負に続編はあるのか?

井原さんは庶民的な人柄で知られ、
参議院議員になったばかりのころ、
「子どもの学資保険が大変や」と
聞いたことがあります。

「へ~、国会議員も学資保険
かけるんか?」と意外に思ったことが
あります。

是非、国会で
子どもの教育費の負担を減らすような
働きをして欲しいです。

白石さんは天才肌で、ちょっと宇宙人的な
不思議な魅力があります。

KYと呼ばれようと、是非
正しい未来のためには空気を読まず、
間違っても
権力者を忖度したりせず
愛媛出身の野党議員として
正々堂々と
働いて欲しいと期待しています。

***

最後に
今回で全12回の『決戦!衆院選2021』を
終えます。

1か月間以上に及ぶ取材で多くの人に
貴重なお話を聞かせていただきました。

ありがとうございました。

その集大成が
選挙当日、YouTube配信した
『必見!ネットで生放送
勇気を出してしゃべろう、それいけ選挙』
長いですが是非、ご覧ください。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(56) 1988年南海放送入社後、新居浜支局記者、県政担当記者を経て、報道部長。現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、資本論研究が趣味。

三谷隆司をフォローする
ニュース解説決戦!衆院選2021
ニュースの深層 南海放送解説室