衆院選愛媛4区では
自民党前職、山本公一さんの後継で
自民党新人の長谷川淳二さん(53)が
初当選しました。
公示直前に立憲が出馬見送り
立憲民主党新人の杉山啓さんの
3人が立候補を表明していました。
しかし、杉山さんが
過去にSNSで
不適切な内容を発信していたとして
公示直前に立候補を辞退しました。
共産、2人の無所属が出馬
共産党は野党共闘の枠組みの中で
4区での出馬を見合わせていましたが、
杉山さんの辞退を受けて急きょ、
独自候補として西井直人さんを擁立。
合わせて5人による争いとなりました。
長谷川さん56.59%の得票率
開票結果です。
長谷川さん 81015票
(得票率56.59%)
桜内さん 47717票
(得票率33.33%)
西井さん 11555票
(得票率 8.07%)
藤島さん 1547票
(得票率 1.08%)
前田さん 1319票
(得票率 0.92%)
5人が立候補する混戦でしたが、
長谷川さんが半分以上の票を獲得。
4年前の衆院選で山本さんが獲得した
80589票(得票率54.41%)を
上回りました。
長谷川さんVS桜内さん
長谷川さんは去年1月の出馬表明以降、
山本さんの後援会組織を受け継ぎ
11市町の選挙区をくまなく回りました。
同じ時期、桜内さんもまんべんなく
選挙区を回りながら街宣活動を展開。
桜内さんは宇和島市出身で
父は愛南町(旧一本松町)、
母は松野町の生まれで、
“地元出身”を掲げ選挙に臨みました。
支援者や組織の体制は
縮小する傾向にありましたが、
あくまで4区からの出馬に
こだわり続けた桜内さん。
対する長谷川さんは岐阜県出身で、
有権者の一部からは
「南予出身ではない人に
票は入れたくない」などの声も
当初は聞かれました。
しかし、各市町の自民党支部の活動は
厚みの面で桜内さんに勝り、
夫婦で東京から宇和島に移り住み、
地域に溶け込もうとする長谷川さんの姿が、
徐々に地元に受け入れられ、
結果的に
保守層の大きな支持を集めました。
長谷川さん、公明党票も取り込む
公示前の先月16日、
西予市で開かれた決起大会では
中村知事がエールを贈ったほか、
公明党の山本博司参議院議員が
応援演説しました。
このほか比例四国ブロックに
公明党が擁立した候補者の
ビデオメッセージが披露されるなど、
自公連立政権を前面に打ち出した
組織戦を展開しました。
“立憲票”の行方は…
公示直前に出馬を取りやめた
立憲民主党の票が
どの候補者へ流れるのかも注目され、
無所属で出馬する桜内さんへ流れるのでは
との予想もありました。
しかし、桜内さんはチラシに
「自民党員」と明記し、
当選後は追加公認の手続きに入ると明言。
保守層の支持にはつながりましたが、
野党支持者の票は
取りこぼした可能性が高いと
みられます。
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有権者の声
選挙期間中、4区の有権者から
聞いた声です。
アコヤ貝養殖業 愛南町
橋村浅男さん(71)
「アコヤ貝大量死の詳しい原因を
究明してほしい。どんな種類の
感染症なのかが分からないと不安だ」
「毎年アコヤ貝が死に、経営は大変。
隣接する宇和島市津島町では
真珠養殖を辞めた人もいる。
このままではアコヤ貝養殖でも
廃業する人が出るかもしれない」
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飲食店経営 愛南町
足立ゆかりさん(53)
「コロナが徐々に収まり、景気は
回復しつつある。来店客も戻ってきた。
コロナのことは、感染状況や対策など
すべてをきちんと説明してほしい」
「愛南町の県立病院には
麻酔科の医師がいないので
医療体制も充実してほしい。
高齢化も進んでいて、
安心して暮らせる政治を求めたい」
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元農業 西予市
菊池節子さん(79)
「地域に農業後継者はいるが、
耕作放棄地は増えている。
誰でも栽培しやすいよう、
農地の広域整備を進めてほしい」
「若い人が都市に出ていってしまい、
未婚の人が目立つ。地方にもっと
住民が増えるような政治に期待する」
こうした地域課題について
長谷川さんは選挙期間中、
次のように話していました。
▼防災減災対策
「西日本豪雨で甚大な被害を受けた
地域のインフラを構築し、
防災減災対策のための公共投資や
公共事業をしっかり確保する。
安全で災害に強い地域を作るための
予算や事業の確保したい」
▼一次産業対策
「コロナ禍で価格が低迷している
魚や米などの一次産業は、
安心して生産が続けられるよう
対策を進めたい。
アコヤ貝大量死の詳しい原因究明は
国が責任を持って取り組みたい」
▼医療問題
「コロナ禍で南予の深刻な
医師不足問題がクローズアップされた。
コロナ禍を教訓に、
問題解決に向けた取り組みを進めたい」
4区、そして愛媛のために
南予の保守層を中心に
支持を得て初当選した長谷川さん。
4区は、愛南町から伊予市までと
選挙区が広大なだけに
抱える課題も多様です。
その多様な課題に
どのようにきめ細やかに対応できるか、
新人議員にとって荷が重い、
しかし、やりがいのある難題が
待ち構えています。