地方の主張①なぜ盛り上がらない?衆院選

ニュース解説

「どうせ自分たちの声は届かない。
そう感じてるんじゃないでしょうか」。

今年2月に今治市長に就任したばかりの
徳永繁樹さん(51・元自民党県議)が
盛り上がりに欠く
衆院選について分析します。

コロナ禍で人が集まりにくい、
しかし
理由はそれほど単純ではない・・・。

「国会議員のなり手が少ないと思います」
「自民党はもともと国民政党だった。
今は都市型政党になっているのではないか」
そう感じるといいます。

その背景に
①小選挙区制による
国会議員の「個性」の喪失、

②1票の格差是正による
地方議員の減少
の2つがあると解説しました。

中選挙区制では
同じ自民党候補同士で
政策でも、人物でも
「個性」を前面に、しのぎを削りました。

今は公認権を持つ党や官邸の力が強く
多様ではなく、
国会議員が「単色」(徳永さん)になった
と感じるといいます。

さらに、民主主義は最後は数、
都市出身の国会議員が増えれば
地方の声が届きにくくなるのは当然です。

◆地方の”個性”が、都市の”数”に
かき消される

造船は、今治市を代表する地場産業で
関係する労働者は
1万人を超えるといわれます。
今治は日本一の”造船団地”なのです。

しかし、例えば
台頭著しい中国、韓国に対抗するため
国に助成を訴えても
「『造船?何、それ?』
みたいなところがある。
ある意味、自分たちが
”井の中の蛙だ”と思い知った。
今治市の強みである地場の個性が
逆に、全国からみて
産地が少ないという理由で
関心を持ってもらえないところがある」
(徳永さん)。

市長になって
初めて知ったといいます。

タオル産業も同じで
「全国で生き残った産地は
今治と泉州(大阪)ぐらい、
コロナ危機で
大きなダメージを受けているけど
なかなか産地の声が国に届きにくい」
(徳永さん)。

◆世界はコロナで「構造変化」、日本は?

「平成の大合併から16年。
自治体間で組織力や政策立案能力に
差が出て、勝ち負けが出ている」
(徳永さん)。

例えば、しまなみ海道。
「お金が尾道側に落ち、
今治の陸地部には落ちていない。
大きな課題」と不満げです。

「コロナで誰もが経験したことのない
世界が到来している。
暮らし、働き方が根底から変わる」と
現在を位置付け、
「食糧生産など国の基(もとい)」
(徳永さん)である地方を守るためには
例えば、国会議員の数を
地方に多く配分するなど
構造変化を見据えた
大胆な変革も必要ではないか
と主張します。

◆選挙はムダの積み重ね

選挙については
「選挙はムダの積み重ね。
歩いて一人一人に訴える基本から
ネット選挙まで
全てやらないといけない」

「若者も実は、
SNSで選挙情報を見ている。
動画からでも
候補者の真剣さや人柄は
にじみ出ている」。

そういう理由で、きょう公示の衆院選も
「準備期間が長い方が有利」との
”見立て”でした。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(56) 1988年南海放送入社後、新居浜支局記者、県政担当記者を経て、報道部長。現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、資本論研究が趣味。

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