きょう、自民党総裁選が告示され、
午後1時から4人の候補者が
「所見発表演説会」を行いました。
それぞれの候補者の主張、公約のポイントを
”早書き”で解説します。
◆河野太郎さん(58) 行政・規制改革相
世界の民主主義国家で
「日本はキリスト教国でないという点で
唯一、違う」と述べたのが印象的。
そして、欧米のようなキリスト教国は
他の民主主義を指向する国の
民主化を急かすが、
日本はそういう国
(キリスト教国家ではない国)の価値を代弁し、
伴走者としてゆっくりとした民主化を
支援したいという趣旨の発言がありました。
河野さんは国際派で英語も抜群に上手いと
聞きます。
また父親の洋平さんも自民党リベラル派を
代表する人物で、
発言の端々に、父親譲りの国際的な教養と
リベラルな思考が垣間見えました。
原発問題については
「再生可能エネルギーへの転換は可能」と
述べましたが、時期などについての明言は
ありませんでした。
◆岸田文雄さん(64) 前政調会長
「自民党のガバナス改革に着手する。
そのために外部の目を入れる」と
党改革に意欲を見せました。
二階幹事長を事実上、
退任に追い込んだ任期制の導入も
この考えの延長線上にあったのかも
しれません。
経済政策については
”新自由主義”からの転換を掲げ、
目先の利益に囚われない
新しい資本主義を目指すと力を込めました。
具体的には、成長の果実の分配で
貧富の差をなくす、
あるいは決算の四半期開示を見直すなどと
述べました。
しかし、成長を目指すという点が、すでに
従来型の資本主義ではないかという疑問も
わきました。
◆高市早苗さん(60) 前総務相
金融緩和に財政出動、そして積極投資で
コロナ危機、そしてコロナ後の経済立て直しに
取り組むと、基本的には”アベノミクス”の
アップロード版とでもいえる経済政策を
公約に掲げました。
しかし単なるアベノミクスの継承ではなく
より現在に即した具体化がなされていると
感じました。
例えば、「危機管理投資」という概念で
防災投資、サイバー防御態勢構築への投資、
高度セキュリティ人材育成への投資など
安全保障分野への投資を
成長戦略に位置付ける点が
高市さんらしいと感じました。
さらに取り組むべき
国家的プロジェクトとして
・国産量子コンピュータと
・小型核融合炉開発を挙げましたが、
政策が国家の”あり様”や”競争力”に偏り、
少し、生活者目線に欠けるかな・・・とも
感じました。
◆野田聖子さん(61) 幹事長代行
全体を通して「弱者の視点」が貫かれていて
他の3候補者と差別化、あるいは異質な
印象を受けました。
特徴は一点集中、一点突破型。
人口減少を国家的危機と位置づけ、
人口減少問題を解決するための政策を
総動員することで、結果的に
経済成長や党改革など
様々なパラダイムシフトを成し遂げる
と主張しました。
その具体的な政策の1つが
”子どもが真ん中、経済政策”で
子育てや教育など様々な投資を行う
「子ども庁」の創設を掲げました。
また女性の活躍を後押しすることも
人口減少対策の重要な課題だと述べ、
自分が総理大臣になれば
閣僚の半数は女性とすることを目指す
と述べました。
<17日午後3時30分発信>