いつもと比べ、桜の便りが早かった今年。
漁業の町・愛南町から、早くも初ガツオの話題が届いています。
にぎわいを見せる市場。しかし、一部では新型コロナの影響も依然、あります。
カツオは漁師の腕次第!?
愛南町で水揚げされるカツオは、四国沖の太平洋で漁師たちが釣り上げます。
カツオは回遊魚で、浮遊物のまわりに集まるという習性があり、漁師たちは“浮き漁礁”と呼ばれる人工のブイの周辺を漁場にしています。
カツオ漁は豪快そのもの。
特に一本釣りは、船のへさきに陣取った漁師たちが、しなる竿を握りしめながらカツオと格闘します。
釣り上げたカツオは軽々と宙を舞い、さながら雨のように甲板に振り落とされます。
取材中、私は頭上にカツオが落ちてきたことがありますが、危険を伴うため、漁師たちはみなヘルメットをかぶっています。
好調な水揚げ セリ値は…
ことしは1月から初ガツオの水揚げが始まり、3月に入ると連日のように数トンから十数トン単位の水揚げが記録されています。
活気を帯びる市場。ですがセリ値は例年の半額以下。原因はコロナです。
新型コロナに伴う水産物の価格低下は、マダイなどの養殖魚にとどまらず、天然魚のカツオにも及んでいます。
外出自粛や飲食店の時短営業で魚の需要が減り、そのためセリ値が低迷しているのです。
安い場合だと1キロあたり200円台前半となることも…カツオを買い付ける仲買人も、売り先が確保できるかどうか不安がつきまとうといいます。
うまいカツオは地元で
とはいえ、品質は間違い無しの初ガツオ。食べるなら愛南町の店がおすすめです。
鮮度が断然、違います。イチオシは、本来のうま味が味わえる刺身。そして各店の個性あるタレで味わうタタキの2品です。
適度な脂身とさっぱりした甘味が初ガツオの醍醐味。
ある飲食店の関係者は「感染対策をしっかり講じているので、おいしい初ガツオをたくさんの人に食べに来てほしい。消費を増やしていただくことが、飲食店や漁業者の助けにつながります」と話していました。
季節ごとに楽しめる、愛媛が誇る海の幸。
漁師の心意気がつまった初ガツオを、みなさんも食べてみませんか。