日本新記録!マラソン鈴木選手に沸いた宇和島市

オピニオン室

きょうから解説委員として毎週木曜日を担当する中武正和です。

初回は、私が担当する支局エリアのうち宇和島から、イチバンHOTな話題です。

[超特急!日本新記録の鈴木選手に、スピードで負けるな]


初優勝を拍手で祝う市民

2月28日のびわ湖毎日マラソン大会を、2時間4分台というハイレベルな記録で制した宇和島市出身の鈴木健吾選手(25)。

この快挙に出身地は、素早く反応しました。

市は鈴木選手のゴール直後に、素早く横断幕を発注しましたが、あいにくこの日は日曜日。看板業者は休みでしたが、郷土のためにと休日返上で作業に取り掛かり、ゴールから約27時間後に市役所に横断幕が掲げられました。


市役所の横断幕

市内の中心商店街「きさいやロード」で出会ったのが、広告の裏紙を手にしたこちらの男性。

そこには“優勝 鈴木健吾”の文字が!商店街も素早く反応し、鈴木選手のゴールから約23時間後には、商店街のアーケードに横断幕を設置しました。


横断幕のゲラを手にした男性

[鈴木選手から学ぶチャレンジ精神]

宇和島市の人口は約7万3000人、この15年間で2万人も減少しました。さらに新型コロナの影響で養殖魚の販売が低迷し、真珠の入札会は史上初の中止に追い込まれました。

そんな宇和島市にとって、鈴木選手の快挙は久しぶりに届いた明るいニュースでした。


宇和島市の中心商店街

鈴木選手はレース後半の給水に失敗し、そこからスパートをかけたと語っています。いわば“ピンチをチャンスに”変えたのです。

宇和島市の養殖業者も養殖マダイを加工し、わずかな手間で食卓に出せる、完成直前まで調理された状態でネット販売したり、真珠をより身近に感じてもらおうと、“ガチャガチャ”で真珠アクセサリーを売り出したりと、これまで以上に消費者目線を大切にした、新しい販路開拓に取り組んでいます。

私たちは、鈴木選手の快挙に拍手を贈るとともに、そのチャレンジ精神から多くのことが学べる気がします。

市民や行政から湧き上がる様々なアイデアを、失敗を恐れずスピード感を持って実現し、コロナ禍を乗り越え、宇和島市に、これまで以上の活気を取り戻して欲しいと思います。

記者プロフィール
この記事を書いた人
中武正和

1975年11月松山市生まれ。南海放送南予支局(宇和島駐在)記者として一次産業を中心に様々な話題を取材。西日本豪雨は発生時から被災地で取材活動に従事。2021年4月から県庁担当記者。南予・東予から届く支局の話題を分かりやすく解説します。

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