はたらくことは、たのしい

ニュース解説

「2014年の開設以来一人も退職しておりません。全員がいきいきと働き続けてくれているところが当社の誇りです」-。

障がい者20人が働く伊予銀行の特例子会社、株式会社いよぎんchallenge&smile(チャレンジ アンド スマイル)の石川克久社長は話します。

木工品や織物の製作や、伊予銀行の伝票製本などを行っている、通称 ”いよぎん ちゃれすま“。
特例子会社とは、障がい者雇用を専門とする会社で、親会社と一体となって地域の障がい者雇用を推進できるメリットがあります。

毎週土曜日午後4時からにお送りしているトーク番組「ザ・VOICE」の、毎月の番組プレゼントは、ここ”ちゃれすま工房”のオリジナルグッズです。

松山市高砂町にある、ちゃれすま工房です。

木工部門では、いよぎんキャラクターのマグネットや、みきゃんのストラップ、なべしきなどを製作。

半日かけ表面を丁寧に磨いていた”なべしき”は、まるで陶器のような手触りです。

織物の部門では、手織りのコースターなどを製作。

数日かけて丁寧に織り上げます。デザインは、好きなアニメや季節の花をイメージしたものなど、スタッフ自ら考案した色の組み合わせで表現します。

清潔で明るい工房では、みなさん“夢中”になって作業に取り組んでいます。自分の好きなこと得意なことに“夢中”になる…そんな印象です。

地元密着企業だけに、素材も愛媛にこだわっています。木工は県産材、織物は今治のタオル工場からわけてもらった残糸を織り込んでいます。

特に力を入れているのは、今治のタオルの残糸と、県産の竹を織り合わせた『ちゃれすま織り』と名付けられた織物。
見た目も香りも、しわになりにくいという使い勝手の良さも兼ね備えています。

特例子会社にしたことで、外部での有料販売ができるようになり、JR四国の『伊予灘ものがたり』車内販売用オリジナルコースターの製作や、県内の道の駅やホテル、坊ちゃん劇場などでも製品が販売されています。

石川社長は「障がいを持ったスタッフが一生懸命に作業している姿や、会社としての社会貢献理念に共感してご購入いただく方も多くいらっしゃいます」としながらも、
「障がい者施設で作っているから買ってくださいというのではなく、品質にはこだわりを持って製作をしています。たとえば織物では、手織りの温かさに加えて包装の丁寧さにもこだわっているんですよ」-。

商品は、織物端のフリンジ部分にも乱れがないよう美しく袋詰めされています。

SDGsのバッジを製作している小林大勝(はるまさ)さん。
県産材の台に、17色を一筆一筆重ねていきます。
自然乾燥させながら塗り上げるため、出来上がるまで2週間かかります。

ときどき伊予銀行の方の胸元で見かけるSDGsバッジ。いま多くのビジネスマンがつけるようになったバッジですが、伊予銀行のかたがつけているものは、ひときわ重厚感があるな、と感じていました。ちゃれすま製だったのですね!

    

「自分たちの商品が売れたときがいちばん嬉しいですね」と話す小林さんの夢は「働いたお金で、家の改築をすること」。

石川社長は「労働の対価として給料を手にするということは大きな喜びで励みになっているようですが、一方で、ものづくりを通じて自分たちの仕事が社会の役に立っているということが働きがいにつながっているようです」と話します。

”集中して細かい作業ができる”スタッフたちの特性は、いま、後継者難となっている伝統工芸の分野にも生かされようとしています。

姫てまりは、様々な色の糸を、一巻き一巻き丁寧に巻いていく根気のいる作業です。
伝統工芸士などから指導を受けて練習を重ね商品化に成功。去年、松山商工会議所の記念品にも採用していただけたそうです。

水引細工にも期待が寄せられます。

もちろん8人のサポートスタッフによる、綿密な準備や細やかな支援体制あってこそ、障がい者がいきいきと“夢”を語れる職場になっていると言えそうです。

いよぎんchallenge&smileのみなさんが作る商品を手にしたとき、私たちがつい忘れがちになっている「はたらく楽しさ」を思い出させてくれる気がしました。

(株)いよぎんchallenge&smileの石川克久社長へのインタビューは、2月13日(土)午後4時から「ザ・VOICE」で放送します。“ちゃれすま工房”製作の番組プレゼントもありますので、ぜひお聴きください。※ラジコなら放送後1週間いつでもお聞きいただけます。

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この記事を書いた人
永野彰子

入社32年目、下り坂をゆっくり楽しんで歩いています。
ラジオ「ニュースな時間」で出会った人たちの、こころに残ることばを中心にお伝えできればと思います。

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