第95回「新型コロナワクチン【愛媛県内の動き】」

オピニオン室

■注目される「ワクチン接種」
愛媛県内の新型コロナウイルス感染者は、2021年2月4日時点で、累計が1,000人となりました。


愛媛県内で、初めて感染者が確認されたのが、2020年3月2日。
そして、8月4日に100人目の感染者が発表されました。
感染者累計が100人に到達するまでに要した期間は、約5か月。
それ以降は、全国的にも急速に感染拡大が進み、100人目の感染確認からわずか6か月ほどで、県内の感染者累計が1,000人となってしまいました。
こうした中、今後、感染拡大を防ぐために最も注目されているのが「ワクチン接種」です。

「ワクチン接種」については、“確保”や“供給”などの役割は国が担いますが、住民などへの実際の“接種”は、各自治体が行うことになります。

愛媛県内の20市町でも「ワクチン接種」のための専属部署が立ち上げられるなど、態勢づくりは進められていますが、1月27日に厚生労働省と川崎市が共同実施したようなワクチン接種訓練などの具体的な動きは、まだ見られていません。

■「ワクチン接種」スケジュール

国が示すスケジュールでは、「ワクチン接種」は、4段階で実施されます。
第1段階として、2月下旬に医療従事者向けの「先行接種」がスタートします。
第2段階では、3月中旬頃にそのほかの医療従事者向けの「優先接種」が。
そして、第3、第4段階として、4月1日以降に65歳以上の高齢者向けの「優先接種」が行われたあと、基礎疾患がある方などを優先して一般の方への接種が始まる予定です。
ここで、2段階に分けられている“医療従事者向けの接種”について補足します。

「先行接種」は、ワクチンの安全性の調査が目的で、国が選んだ公的医療機関の1万人から2万人が対象です。

この「先行接種」は、全国100の医療機関で実施されますが、愛媛県内で唯一選ばれているのが新居浜市の愛媛労災病院です。
一般的な医療従事者に先駆けて実施される「先行接種」では、ワクチン接種後の副作用など体調変化を観察し、その安全性を調査することになります。

愛媛労災病院の宮内文久院長によりますと、病院では、職員約340人を対象に「先行接種」の意向調査を行っていて、半分程度が接種に協力する意向を示しているということです。

■同意した医療従事者の思いとは―。
「先行接種」には、当然リスクが伴います。
愛媛労災病院では、ある思いからこの「先行接種」を行うことにしました。
この病院は、2020年5月から帰国者・接触者外来(当時)として、新型コロナ感染症の疑いがある患者の対応にあたってきました。
徹底した感染対策を取っていましたが、2020年12月に職員と患者の計2人が新型コロナに感染していることが分かりました。
迅速な対応で感染の広がりを最小限に食い留めましたが、それでも感染を防ぐのが難しいのが新型コロナウイルスです。
こうした中、「先行接種」への同意を後押しする出来事がありました。

病院の前に「医療関係者の皆様!!お身体に気を付けて頑張って下さい」という、温かいメッセージとともに4鉢の花がそっと置かれていたのです。

宮内院長は、「びっくりしたと同時にありがたいと思った。私たちのコロナに対する活動、患者さんに対する活動が認められたんだと肌で感じることができた。私たちがまず、率先してコロナワクチンを受け、実体験をもとに私たちの健康調査を新居浜市民の方、そして、愛媛県民の方にお示しして、その情報をみなさんにお返ししたいと思った」と、「先行接種」同意への思いを語ってくれました。

また、この病院では、「ワクチン」の保管場所や接種を行う部屋の準備が進んでいます。
国が契約しているファイザー社の「ワクチン」は、“-75℃±15℃”での保管が必須で、そのための冷凍庫が配備されます。
この「ワクチン」の品質を維持するためには、温度管理が欠かせないため、薬剤師が多く行き交い、常に状態を確認できる場所に設置することにしています。

■「ワクチン接種」開始に向けた愛媛県の準備は

愛媛県は、ワクチンを取り扱う県内の薬卸業者との間で、どの業者がどのエリアの配送などを担当するのかといった打ち合わせを完了しています。
また、実際に接種を行う県内の市と町へのバックアップが進められているほか、コールセンターなど相談体制の整備についても検討しています。
ただ、一般住民向けの接種については、国から詳細なスケジュールが示されていないため、中村知事は、国に対し、「せっかく担当大臣ができたわけだからそこに没頭して頂き、一番有効なやり方を見極めて早く手を打ってほしい」と、早急な対応を求めています。

新型コロナの終息に向けて、政府には、一刻も早い、正確で安全な「ワクチン接種」の実施を求めます。

※次回記事更新は、2月11日(木)を予定しています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ。
1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任し、現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。

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