心のJAZZ

オピニオン室

「これだけ待ってくれている人がいると思うと、その思いに応えたい」-。

年末の風物詩ともなっている『愛媛オールスターズジャスフェスティバル』、今年は8月にオープンしたばかりの八幡浜市民文化活動センターで開かれました。

コロナ禍で、エンターテインメント活動がほぼ壊滅状態となった今年1年。
会場も入念な対策が取られました。検温済みのリストバンドと連絡先の記入。

342ある客席は、ほぼ半数に減らし、密にならないように。ギターを抱えたアマビエさまは、会館のかた作成です。もちろんこまめな換気も。

みなさんが待ちに待った音楽のおまつりです。
オープニングは、地元、川之石高校吹奏楽部と、八幡浜高校吹奏楽部の演奏です。

(リハーサルの様子です)

「パート練習が中心になってしまいましたが、集まって吹くときは集中して有意義な時間を過ごすことができました」と、川之石高校2年の宇都宮さん。
大勢の地元のかたの前で披露できたことは、嬉しかったそうです。

(えひめジャズネットワーク)

そして、えひめを代表する3つのジャズグループの登場です。
まずは、『栗田恵子~えひめジャズネットワーク~』のみなさんです。

(栗田敬子さん)

「2020年は、大きな舞台での演奏がすべてなくなりました。この舞台に立てて、胸が熱くなりました」と代表の栗田さん。

心に響く演奏を見せてくれました。

伊賀上ひろしさん率いる『ムーングロウ連』は、ピアノトリオに3人の女性ソロボーカル、ボーカル&ダンスと、ジャズを彩り豊かに楽しませてくれます。

(ムーングロウ連のみなさん)

松山を代表する老舗のピアノバーを経営する伊賀上さんは「きのう、おとといとお客さんはゼロでした。厨房もバーテンダーも接客も演奏も、一人で何役もできる店だから、持っているようなものです」と笑います。

トリは『堤宏文&ストレートフラッシュ・スペシャルBand』のみなさん。
「いやー今年は、舞台が全部だめになりました。きょうが今年2回めで今年最後の舞台ですよ」と笑っていた堤さん。

(堤宏文さん、御年80‼)

松田聖子さんや日野皓正さん、桑田佳祐さんら錚々たるアーティストのサポートメンバーとして活躍するアンディ・ウルフさんが出演します。
アンディさんは、今年八幡浜で開催予定だった「世界マーマレード大会」のために作り、会場で披露予定だったオリジナル曲「ソウル マーマレード」を、八幡浜のみなさんに一足早くお披露目です。

(テナーサックスのアンディ・ウルフさん)

国内外で活躍するタップダンサー宇川彩子さんとのコラボも魅せられます。

おしまいには恒例のジャムセッション。出演者全員での演奏です。

栗田敬子さんが演奏前に語っていた言葉が思い出されます。
「音楽でおなかが膨れるわけではないんですよね。コロナで全く活動ができない中、私たちは忘れられるのかな、ってずっと思っていたけど、これだけ待ってくれている人がいると思うと、その思いに応えたい」―。

その場のアドリブと、掛け合いが魅力のジャズ。
今回は、演奏者と観客、まるで思いを募らせていた恋人同士がようやく会えた…そんな熱い心を感じることができるひと時でした。

『愛媛オールスターズジャスフェスティバルin八幡浜』の模様は、12月27日(日)18:00~20:00、南海放送ラジオでお楽しみいただけます。
※ラジコなら放送後1週間、番組をお聴きいただけます。

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この記事を書いた人
永野彰子

入社32年目、下り坂をゆっくり楽しんで歩いています。
ラジオ「ニュースな時間」で出会った人たちの、こころに残ることばを中心にお伝えできればと思います。

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