第89回「コロナに負けない!! 1箱“100万円”の愛媛ミカン」

ニュース解説

■“桐箱入り”の「早生ミカン」

秋が深まると愛媛を旅立ち全国各地で販売が始まるのが、“カンキツ王国愛媛”の主力品種「早生ミカン」です。
11月5日には、東京大田市場で、JAにしうわ産「早生ミカン」の初セリが行われました。

セリを前にした会場で、大切そうに梱包を解かれたのが、令和を記念し、去年、販売が始まった5段の“桐箱入り”「日の丸みかん」です。
今年は、新型コロナの影響がミカンの価格にどう反映されるのか、関係者も心配していましたが、セリがスタートすると、その不安も吹き飛びました。

仲卸業者や小売業者の熱気が会場を包み、JAにしうわ「早生ミカン」の今年の初セリ平均価格は、1キロ当たり335円と、JAにしうわ発足以降の“最高値”を記録し、最高の滑り出しとなりました。

■気になる桐箱ミカンの価格は
最高の滑り出しを切ったJAにしうわの「早生ミカン」。

1段42個入りの5段桐箱「日の丸みかん」の価格は、なんと、210個で“100万円‼︎”という、超高額で東京の仲卸業者に競り落とされました。
1個あたりの価格は、実に約4,800円。
東京都内の高級フルーツ店で販売されるという事で、どんな方が購入されるのか気になります。
「早生ミカン」の平均価格にしても、桐箱入りの「日の丸ミカン」の価格にしても、新型コロナによる悪影響は避けられたようです。

■「愛媛かんきつ部」結成
 
“コロナに負けない!!”と、このほど、愛媛県と全農えひめが「愛媛かんきつ部」を結成しました。
狙いは、コロナ過で健康志向が高まる中、ビタミンCやクエン酸など身体に良い成分が多く含まれる愛媛のカンキツをPRし、消費拡大につなげること。
この「愛媛かんきつ部」のキャプテンに指名されたのが、いま人気上昇中のお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸 宏行さん。
部長を相方の前田 裕太さん、マネージャーを愛媛県出身のものまねタレント「みかん」さんが務めます。
そして、監督は、愛媛県の中村時広知事です。
「愛媛かんきつ部」の「ティモンディ」の2人は、早速、県内の「紅まどんな」農家を訪問し、生産者を応援したり、2人の母校、済美高校の学園祭を訪れたりして、愛媛カンキツの魅力をPRしました。

さらに、「たべればわかる!ティモンディの豪速球配達プロジェクト」と銘打って、特注自転車「ティモンディ号」の配達バッグにミカンを詰め、東京都内の小学校に愛媛カンキツを届けるなど、まさに“全力投球”でPRに努めてくれています。

■ミカン収穫にはコロナの影響が…

例年、愛媛県内では、ミカンの収穫時期にあわせて、県外からアルバイトやボランティアを受け入れています。
しかし、今年は、新型コロナの影響で、その確保が大きな課題となっています。
新型コロナ対策は、農協ごとに異なっていて、宇和島市のJAえひめ南では、県内在住者に限定し、ボランティアを受け入れています。

一方、八幡浜市のJAにしうわでは、各ミカン農家が募集した県外からのアルバイトにPCR検査を行った上で受入れています。
このPCR検査は、民間検査機関を利用した自主的なもので、八幡浜市のミカン園地に入る前に検査を行い、コロナに感染していないことが確認されたアルバイトに限り、現地へ派遣されることになります。

このほか、愛媛県商工会議所連合会が県内の企業にボランティアの派遣を呼びかけるなど、支援の輪が広がっています。

■“withコロナ”こんなアイデアも

新型コロナの影響で在宅勤務が増加しています。
そんな“withコロナ”時代の在宅ワーカーを応援しようと、JAにしうわが、温州ミカンセット「家で働くひとの西宇和みかん」を発売しました。

この温州ミカンセットは、“ON”用と“OFF”用で区分されているのが大きな特徴です。
在宅などで行うテレワークでは、“ON”と“OFF”の境目が曖昧になっていることから、それぞれのシチュエーションに適したミカンが用意されています。
仕事中(ON)には、集中力を高めるために酸味が効いた糖度が10度のミカンを。
休憩中(OFF)は、疲労を回復するために糖度が12度の甘いミカンを食べ分けるようになっています。

このように新型コロナウイルスは、愛媛の基幹農業であるカンキツ栽培にも大きな影響を与えています。
しかし、愛媛県内の現場には、長年培った経験を基にした“逆境を跳ね返す知恵と工夫”があふれていました。

※次回記事更新は、12月17日(木)を予定しています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ。
1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任し、現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。

御手洗充雄をフォローする
ニュース解説
ニュースの深層 南海放送解説室