南海放送報道部がIT時代に、歴史的一歩を踏み出す記事をきょう(7日)、Yahoo!ニュースで配信しました。
『【愛媛から伝えたい】ダムに殺されたのか?「千年豪雨時代」に生まれ変わるダム』というタイトルのネット配信記事です。
去年の西日本豪雨で、ダムが”加害者だったのか?”という住民からの問いかけを検証する内容です。
文字数は3000文字超、加えて約10分に及ぶ動画と13枚の画像が付いています。
この配信記事が報道部にとって歴史的な一歩である理由は、大きく3点あります。
①南海放送報道部がYahoo!ニュースと初めて連携して、ニュースを制作した点。
今回の配信記事は南海放送がYahoo!ニュースと個別に連携し、テレビニュースではなく、Yahoo!ニュースの”ためだけに”に制作しました。
南海放送はNNNネットワークに属しており、普段、ニュースは系列のテレビ局と協力して制作しています。
南海放送報道部がこうした系列局以外と連携してニュースを制作し、報道することは極めて稀です。(私の経験する限り過去にない)
連携相手がIT関連企業であるのは、未来のニュースのあり方を模索しようとの意図があるためです。
②テレビ局である南海放送報道部が、”読み物”としての記事を制作した点。
配信記事には、動画や画像も付いていますが、あくまで”読んでもらう”記事がメインディッシュです。
通常のテレビニュースなら1本300文字程度、特集原稿でも1000文字程度です。
新聞記事に近い性格を持つ今回の場合、3000文字を超えていて、今後、放送記者(テレビ局の記者)は、この文字数に耐える文章力が求められることになります。
③ネット配信に特化した報道コンテンツを”オーダーメイド”で制作した点。
これまでも日々のニュースをネット配信していますが、それらはテレビニュースの流用です。
今回はYahoo!ニュースとの連携企画記事であり、Yahoo!ニュースのためだけに”オーダーメイド”で制作しました。
テレビ放送はまったく意識していません。
スマホで読まれたり、見られたりすることを前提に、字幕スーパーも文字数は少なく、サイズは大きい”スマホ仕様”としました。
◆IT時代の報道のフロンティアを実感
記事のベースになった取材は、南海放送報道部(主に百合田彩記者)が昨年末、制作した特番「千年豪雨時代に生きる」がもとになっています。
さらに私が、鹿野川ダムに建設された全国初の「トンネル洪水吐」を取材し、構成し直し原稿を書きました。
その初稿をもとに、Yahoo!ニュースのデスク陣と内容に関して議論し、約1か月がかりで仕上げました。
私の原稿にYahoo!ニュースのデスク陣から、情け容赦ない訂正、加筆が入る作業はワクワクして楽しく、「なるほど、放送記者は文章が淡白なのか(要するに下手)」とか、「ふーむ、スマホで読みやすくするためには、こうすればいいのか」など大変、勉強になりました。
このYahooニュース!との連携記事は、今後も続く予定で、私も南海放送報道部と共に、まだまだ成長したいと思っています。
是非、記事をお読みください。