金曜昼は、百合田彩のキャンディボイス!

ニュース解説

「番組やってくださいって言われて、ドッキリだと思っていました」-。

この秋から南海放送ラジオ「Tips」金曜日を担当することになった百合田彩さん。
いまTipsのディレクターを務めているだけに、この秋から、まさか自分がガラスの向こうに座ることになろうとは…。

「金曜日はゆりちゃんね、と軽く言われたんですけど、あれは間違いだったからって言われそうで、夏に刷り物の資料で出てくるまでは信じてなかったですね」と、くるくる変わる表情で話します。

キャスターになりたくて南海放送に入社。当初は広報担当として、テレビやラジオ、イベントのPRにあたっていました。

(広報担当のころ)

「実はWhat‘s Up?って番組を担当していたんです。入社してすぐに田中和彦常務(当時)に、やってみない?って言われて」―。
入社早々、経験もない広報ウーマンが週3日、しかも40分の生放送を担当という、やっちゃえ!な南海放送ラジオ。
「楽しかったけど、一人でマイクに向かって、誰にむけてしゃべったらいいかわからなかったんですね。ほかの人のラジオを聞くと、自分に寄り添ってくれてるように感じるんですけど、自分はどうなのか、どうすればいいかわからなかったまま終わったという感じですね」―。

その後、念願だった報道部に異動。警察担当記者になりますが、異動早々、殺人事件や暴走車の事件といった全国ニュースになる事件がつづき、記者として鍛えられる毎日を過ごします。

そして3年前の西日本豪雨災害。百合田さんが記者としての“使命”を感じ取ったできごとでした。
全記者で取材にあたり、百合田さんがダムの数字を調べる作業をしていたときのこと。
「ダム管理側の言っていることが専門的すぎて、これは住民の方にきちんと伝わっているのだろうかという疑問が湧きました。それを住民に分かりやすく伝える立場でいようというのがきっかけだったんです」―。

それから1年、百合田さんは被災地に通い続け、ダム管理者と被災者住民を取材しました。
「私のふるさと宇和島にも、すぐ近くに川があってダムがあるんです。これは野村という小さな町で起こった出来事で終わらせられない」―。

消えない憎しみ、口を閉ざす住民。拒絶されたり否定的な言葉を突き付けられながらも、百合田さんは、どこに問題があり何が課題なのか、考え続けました。
その取材をまとめたラジオ番組「緊急放流=逃げろ! ~誰が命を奪ったのか~」は、2019年度日本民間放送連盟賞全国最優秀賞を受賞しました。
百合田さんは、審査員が発した「このことを伝え続けてほしい」という言葉に、今後の“使命”を感じたと言います。
「集中豪雨が毎年どこかで起きて川が氾濫し、住民が被害を受けています。5年後10年後も野村の被害を風化させないようにと思うと同時に、次はどうすればいいかということも伝えていかなければ」―。

新「Tips」のなかで、毎週、企画取材したコーナーを入れていきたいと語る百合田さん、記者時代に培った使命感で、さまざまな社会の課題に斬り込んでくれそうです。

(2歳の頃、母 美樹さん 祖母 歌子さんと)

小さいころは「はちゃめちゃで、興味が次々に変わって、親も育てにくかっただろうなと思います」と、大きな瞳で楽しそうに笑う百合田さん。
家でも学校でも“同じことをする”のが嫌で、勉強も部活動も習い事も長続きしなかったという中、唯一続いたのがクラシックバレエ。

すっとした姿勢のよさと、100メートル離れていても視線を惹きつける華やかさは、6歳から18歳まで続けたバレエの賜物なのかもしれません。
「家では全く練習もしなかったから続いたんですよね」と言いながらも、ストイックに体重を落としたり、主役を目指して努力する経験が、のちの踏ん張る力になっていったようです。

ラジオディレクターとして半年。
SNSやインスタなど映像で伝えることが主流の時代に、音だけで伝えるためにどうすればいいかという試行錯誤を繰り返した半年でもありました。
「ディレクターをして思ったのが、普通にラジオを心地よく聞けたというのは、曲をいい間合いでクロスさせたり、トークBGMをセレクトしたり、さまざまな“思い”と“工夫”があってということがわかりました。自分に“心地いい番組”ができるのか不安でもありますが楽しみです」

入社早々担当した「What‘s Up?」のときには掴めなかった、ラジオの“聞き手に寄り添う”感覚が、記者・ディレクターという経験を経て、どのように伝わってくるのか。

百合田彩さんのTips(金)12:00~16:20、10月2日デビューです。

記者プロフィール
この記事を書いた人
永野彰子

入社32年目、下り坂をゆっくり楽しんで歩いています。
ラジオ「ニュースな時間」で出会った人たちの、こころに残ることばを中心にお伝えできればと思います。

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