第78回「道後・秋の4連休 “コロナ禍”で一番の人出」

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■シルバーウィーク4連休 賑わう道後

愛媛県内は、9月19日(土)から22日(火・祝)までの秋のシルバーウィーク4連休、気持ちの良い秋晴れに恵まれました。
この間の県内の観光地の様子を取材するため、道後の町を訪れました。

そこは、家族連れや友人同士など、多くの観光客であふれ、これまでの“コロナ禍”の道後とは異なる光景が広がっていました。

■春の行楽シーズンやGWは閑散と…
秋の4連休からさかのぼること約5か月。
安倍前首相は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い「緊急事態宣言」の対象地域を愛媛県を含む全ての都道府県に拡大しました。

これを受け、愛媛最大の観光地・道後のシンボル「道後温泉」も“本館”と“飛鳥乃湯泉別館”を約2か月にわたり臨時休館しました。

松山市によると「道後温泉本館」が長期休館するのは、1946年の「昭和南海地震」によって、約3か月間にわたり温泉が止まってしまった時以来ということで、異例の事態となりました。

春の行楽シーズンからGW期間中にかけて道後の町では、本館の臨時休館に伴い、旅館やホテル、土産物店や飲食店など多くの店舗が臨時休業せざるを得ませんでした。
このため、道後商店街はシャッター街と化し、週末にも関わらず、1人の観光客の姿も目にしないような信じられない状況となっていました。

■「コロナ禍」で一番の賑わいに
5月下旬に国の緊急事態宣言が解除され、収束の兆しを見せていた新型コロナウイルスも夏場を迎える頃には、再び全国各地で猛威を振るい始めました。
一方で、“コロナ禍”の観光スタイルとして、道後をはじめとする県内の観光地では、独自のコロナ対策を講じながら観光客を受け入れています。
そして、7月には、政府の観光支援事業「GoToトラベル」がスタート。
愛媛県も独自の宿泊代金5,000円割引キャンペーンを実施するなど、コロナ対策と経済活動の両立が進められています。
こうした中で迎えた、秋のシルバーウィーク4連休。

愛媛県最大の観光地・道後は、九州や北陸、関東など県外ナンバーの車があふれたほか、県内外から多くの観光客が訪るなど、「コロナ禍」で、一番の賑わいとなりました。
KDDIが行った「全国主要観光地人流の動向」調査によると、9月20日(日)の道後温泉周辺エリアは、前年同月比(前年9月の休日平均値との比較)で、人出が44.9%増加。
前日の19日(土)と比較しても人出が17.4%増加する結果となりました。
また、道後温泉旅館協同組合によりますと、この4連休、組合に加盟するホテルや旅館は、“ほぼ満室”だったということです。
道後温泉旅館協同組合は、「GoToトラベル」の実施や8月23日以降、約一か月にわたり愛媛県内で新型コロナの新規感染者が確認されていないことによる安心感が観光客の増加に繋がったのではないかと分析しています。


道後温泉では、新型コロナ対策として、入口で検温したり、手指消毒などを行うほか、入浴客で行列が出来る場合は、密を避けるために整理券を配布しています。
道後温泉事務所によると、4連休3日目の9月21日(月・祝)は、午前6時の開館時間前に100人以上が列を作っていたことから、午前5時半頃から入場整理券を配布しましたが、わずか30分ほどで午前中の整理券が無くなったということです。

“コロナ禍”で苦境を強いられる道後の観光関係者も予想以上の人出にうれしい悲鳴を上げる一方で、道後の町から新型コロナ感染者を出さないよう感染予防対策に神経をとがらせています。
10月1日からは、「GoToトラベル」に東京発着が追加されます。
これから冬場を迎え、感染拡大も懸念される中、新型コロナといかに向き合い、経済活動とのバランスを取っていくのか。
難しい課題が観光地に突きつけられています。

※次回記事更新は、10月1日(木)を予定しています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ。
1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任し、現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。

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