就活の情報ですか?SNSでさくさく調べました。大学の同窓会組織?縁がないですねー
先日、新入社員に尋ねた際の答えです。
全国どこの大学も、同窓会組織の若者離れがすすんで久しいとききます。
私が就職したころは、大学のOBやOGにコンタクトを取り、うまくいけば上層部に紹介してもらおうというのが一般的でした。いまではそういったネットワークはあまり使わないようです。
私が卒業した松山大学には、「温山会(おんざんかい)」という同窓会組織があり、会員数は7万6000人、全国43支部、大連やニューヨークにも支部があり、地方大学としては熱心な動きをしているといわれています。
理事をしていることもあり、温山会の会合に出ると、決まって課題として出てくるのは、「若い人たちをどう取り込んでいくか」ということ。
年1回の温山会総会は、愛媛県民文化会館の真珠の間フルスペースで、1000人弱のOBOGが集いますが、卒業年度順に並んだテーブルで、オーバー50の私は、ほぼ末席。60代以上の大先輩が大勢を占めています。いまの日本の縮図のようです。
今の若い人たちは、SNSを使って同窓生がいつでも気軽に集うことが可能ですから、組織から届いたハガキをもとに、安くはないチケットを買って、よく知らない世代と過ごすということに、あまり意義を感じないのかもしれません。
松山大学(旧松山商科大学、旧経専)は、ビジネス系の専門校だったこともあり、OB・OGには、上場企業や地元企業のトップだった人も多く、「松山は松山大学OBが動かしている」とよく聞かされたものです。企業トップだったあるOBは、「温山会は、仕事のコネとして使うことに意義があるんだから、もっと使えばいいのに」と言います。“極めた”先輩たちは、後輩の役に立ちたい、キャリアを還元したい、と思っている人が多いのです。
翻って、年会費を払ってまでも同窓会組織にかかわってもらうためには、「旧交を温める」だけではなく、十分なメリットがある、と実感できるサービスを提供しなければならないと思います。
事務局に聞いた話では、ビジネス勉強会を開いて“何かを得られる会”にしたり、地元タレントを呼んだ“楽しめるイベント”にしたり、地方の支部単位で、付加価値づくりに動き出したところもあるようです。
ビジネス系に長い歴史のある大学なので、幅広い年齢層のネットワークをビジネスに生かせる情報の提供、たとえば、起業をしたい人に、法的なことや資金繰り、販路開拓の協力や広告戦略の手伝いまでコーディネートするようなサービスを提供することなど、人的財産は豊富に潜在しています。
これを繋げて生かせる組織になることで、大学の付加価値にもなるし、地域経済のポテンシャルアップに役立つのではないかと思います。