前々回(7月7日発信)記事で、松山大学の学生6人による「愛南マダイを売ろう!プロジェクト」が生まれたと報道したところ、愛南町水産課の長田岩喜課長から興味深い情報が届きました。
学生らが立てた「『魚は”男”の文化』という固定観念が、魚を食べることや料理から女性を遠ざけている」という仮説を裏付けるデータがあるというのです。
長田さん(左)と課長補佐の濵哲也さん(右)によると、愛南町のぎょしょく普及推進協が作成した魚のさばき方YouTube動画の視聴割合が、男83%、女17%と明らかに男性に偏っているといいます。
報道などの影響で視聴数が1万8000回と予想以上に伸びていて、仮説を裏付けるのに一定の説得力がある数字とみていいのではないかといいます。
◆勢いに乗るプロジェクト、またまた予想外の展開が!
今月14日、2回目のプロジェクトミーティングが松山大学で開かれ、仮説が正しい可能性があるとの報告に、みんな満足気です。
勢いづいて、今後の具体的な活動について話し合いました。
一致した意見は「養殖現場のリアルが分からない。まずリアルを見たい」。学生は度々、議論の中で”リアル”という言葉を使います。”現実”あるいは”事実”という意味で使っているようです。
しかし話を聞いていると、どうやら基本知識である「養殖」と「漁」の”リアル”な区別がついてないように思えてきました。
私)「養殖と漁の違いを説明できる?」
保田音萌さん/1回生・四国中央市出身)「養殖は自分で育てるやつ。ペットみたいな・・・?」
私)「じゃ~、漁は?」
保田さん)「狩りみたいなやつ。サバイバルな感じ?」
う~~ん、『養殖⇒ペット』『漁⇒サバイバル』という大雑把なイメージしかわかないようです。
ということで、まず養殖や漁の現場を自分の眼で見て、可能な範囲で体験し、リアルを確認する必要があるという結論に達しました。
◆女性目線で動画を制作し、YouTubeにアップ
さらに、議論を進め、
①養殖や漁の現場で働く女性を探し、女性目線で動画を制作
②鮮度の高いマダイと、寝かせてうま味を出したマダイの刺身の、味の違いを確かめる動画を作成
③マダイのさばき方の体験動画を制作し、
YouTubeチャンネルを立ち上げて、発信することになりました。
こうした若い世代の視点で、養殖業がどのような産業なのか?課題は? さらに、魚を食べる文化の継承に、どんな障害があるのか?などを検証し、ネットで発信、まずは広く反応を探ることになりました。
◆視聴回数をアップさせるためにどうする?
さらに議論は進みます。動画をいかに多くの人に見てもらうかというPRの方法です。
意見を出し合っていたところ、現在、YouTuberとして活動し、愛南町の真鯛アンバサダーを務める宮迫博之さんに動画に登場してもらってはどうかというアイデアが出ました。
もちろん実現へ向けて、なんの”アテ”もありません。
この他にもローラや、たけやま3.5などの名前が挙がりましたが、どうやってアプローチするかの具体案までは出ませんでした。
最後に、作業は2つの班にグループ分けし、役割分担した方が効率的だという意見が出て、年齢と性別のバランスをとったAチーム、Bチームをつくることになりました。
Aチームは丸谷さん(右・4回生)、松井さん(中・1回生)、渡部さん(左・2回生)
Bチームは田頭さん(右・3回生)、保田さん(中・1回生)、石橋さん(3回生)
「ニュースの深層」と「Yhoo!連携企画記事」が、今回のプロジェクト設立のきっかけになったこともあり、私は取材で培った知識や人脈を、報道と大学が共に使命とする”地域の課題解決”という目的でのみ共有します。
さらに報道の立場で、プロジェクトの取材も継続します。
どんな展開になるのか、楽しみです。
続く・・・