愛南町マダイを売ろう!松大生がプロジェクト

オピニオン室

コロナ危機で首都圏の飲食店が営業を自粛した影響などで、愛南町の養殖マダイが生け簀に滞留し、過剰在庫が大きな問題になってます。

金額は数十億円に上り、今後、いかに消費拡大を図るかが課題です。

◆大学生がコロナ被害 の解決に挑戦!

コロナ危機という歴史的災害がもたらした地域の課題に、若い感性と多様な視点で取り組もうというプロジェクトが、松山大学でスタートしました。

愛南町の養殖マダイ問題を『ニュースの深層』や、Yahoo!ニュースとの連携企画記事として全国にネット発信したところ、Yahoo!記事は250万PVを超える大きな反響を呼び、書き込み件数は2,200件を超えるなど、全国的に大きな関心を呼びました。

愛媛県内でも、地域連携に力を入れる松山大学経営学部の檀裕也学部長が、研究、さらにはフィールドワークのテーマとして、「問題解決プロジェクト」の立ち上げを学生に呼びかけたところ、6人が参加を希望し、先月30日に初ミーティングが開かれました。

◆現役大学生のマダイのイメージは?

6人はなぜ、この問題に関心を持ったのでしょうか?また現役大学生は、”魚”にどんなイメージを持っているのでしょうか?

☆松井風太さん(1回生)・・・松山市出身

「小さなころ愛南町にキャンプに行き、泳いだ経験があります。そのころからの愛南ファン。魚はマダイよりハマチが好き。コロナの影響で、きょう入学して初めてキャンパスに来ました。やっと大学生になれた感じです」。

☆保田音萌さん(1回生)・・・四国中央市出身

「将来、地域の活性化に貢献できる地元公務員になりたいという夢があり、参加しました。まだ、学校生活にすら慣れていないので不安ですが、人生の糧になるに違いないと考え、積極的に行動したいです」。

☆渡部凪紗さん(2回生)・・・宇和島市出身

「プロジェクトに好奇心をくすぐられました。動画を通じて人の心を動かすのが夢なので、今回、ユーチューブ配信などで、誰かの心を動かすことが出来ればと期待しています」。

☆石橋皇之介さん(3回生)・・・松山市出身

「マダイを使った料理は鯛めしや釜めし以外、知らないし、マダイ料理はあまり知られていないのでは?と思います。料理や調理方法をいかに知ってもらうかが、消費拡大の1つのポイントになるように思います」。

☆田頭梨奈さん(3回生)・・・松山市出身

「釣りでスズキを釣ったのですが、さばけないので、お爺ちゃんに料理してもらいました。やはり魚は、さばく手間がハードルになっていると思います。一人暮らしの大学生は魚を食べないのでは?魚を食べるのは実家か、回転ずしのイメージです」。

☆丸谷英里さん(4回生)・・・今治市出身

「若い人に問題を知ってもらうには、何で発信するかが大切。魚の料理動画を見せるなら、キッチンでスマホを見ながら料理できるユーチューブが有効。拡散ならインスタかtwitterが効果的。就職活動もあるのですが、興味があって、たまらず参加しました」。

◆魚文化は”男”文化? 議論は予想外の展開!

1時間あまりに及んだ議論は白熱し、初回ミーティングとしては予想もしない、とてもユニークな1つの仮説にたどり着きました。

それは

『魚の文化は、男の文化ではないか』という仮説です。

【理由①】魚のウロコをとったり、さばくのは男の仕事である (私にとっては”女性の仕事”なのだが、やってみると確かに、かなりの重労働。女子大生にとっては自分の仕事とは思えない。もしくは、家でも女性が魚をさばくのを見たことがない)

【理由②】釣りは男の趣味である (釣り動画で目にするのは、有名男性タレントである)

【理由③】女性漁師は見たことがない (もちろん、養殖業も男性の仕事である)

こうした『魚文化は”男”文化』という固定観念が、魚から女性を遠ざけている・・・というのです。

魚料理は母、あるいは妻の役割と信じて疑わなかった私にとって、思考の”コペルニクス的転換”でした。

◆この問題には「ジェンダーレス」で取り組む必要がある?

議論によると、こうした”無意識の固定観念”には、例えば「キャンプは男の文化」や「登山は男の文化」というものもあるんだそうです。

その”固定観念”から自由になろうとして『ソロ(1人)キャンプ』、『ソロ(1人)登山』という、女性が1人で「男の文化」を”密かに”楽しむ文化が生まれていると、女子学生らは指摘します。

「この問題にはジェンダーレスで取り組む必要がある」(田頭さん)。

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この他にもミーティングでは興味深い、様々な意見が出されました。

例えば、「マダイ料理は選択肢が少ない。居酒屋の刺身の盛り合わせで、チョコっと見るくらい」や「養殖マダイはどの産地でも味は一緒。味に違いがあるとは信じられない」などです。

◆報道と大学が協力して、問題解決に取り組む

地元で問題の存在を掘り起こし、事実を報道した「報道機関」と、消費者としてのみずみずしい感性を持ち、かつ、社会の具体的な問題解決に意欲を示す「大学生」が協力して取り組む『愛南マダイの消費拡大プロジェクト』(仮)。

果たして、どんな経緯を辿り、結論に到着するのか?

問題を報道した報道人としてかかわり、随時、展開をお伝えしたいと思います。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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