青木アナをNews Ch.4に起用した理由

オピニオン室

きのう(30日)から大規模リニューアルした南海放送報道局の”主戦場”、News Ch.4の最大の目玉は、女性キャスターに入社2年目、23歳の青木美奈実アナウンサーを起用したことです。

なぜ、青木キャスターなのか? ご説明したいと思います。

キャスター初日のきのう、この記事のために密着取材しました。

お昼ご飯は何を食べるの?

コンビニが多いといいます。

お昼前、会社の隣のコンビニに・・・。

メインはエビ天むす。さらに、春雨サラダにスムージー。

へ~、こんなのがお昼ご飯なのね。

「News Ch.4が終わって、ミーティングとかしてたら、午後8時にはなるけど、こんなんで、お腹もつのかな?」と心配していたら、レジへ・・・。

ところが!!!

私がいつも行くレジとは真逆の方向へ!

なんで?

えっ、セルフレジ??? 何、これ・・・

私も毎日、このコンビニに来るけど、存在にすら気付かなかった・・・。

支払いはスマホをかざすだけ。

青木さん曰く、「こっちだと、並ばなくていいから楽なんです。でも、温めるお弁当なんかだと、向こうのレジに行く必要がありますけど」。

◆ITネイティブ世代キャスターへ

南海放送報道局が求めていたのは、”こういうこと”なんです。

54歳の報道局長は、お昼時、あの長い列に並んでいたんです。

変化をまったく知らずに・・・。イライラしながら。

スマホをかざして決済する青木さんに、「それってプリペイドなの?」って質問すると、「違います。楽天ペイです。クレジット決済です。でも、残高はなくなりません」って言ってました。

「それって、どういうこと?」と聞きたかったのですが、取材の趣旨から離れそうなので止めました。また、別の機会に教えて下さい。

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『変化への対応』『自分(私)が持っていない”視点”からニュースを眺める』『次の南海放送の報道を担う世代が、現場で活躍する』

青木さんを起用した理由です。

◆”経済”の面白さは「幅広く、世の中が学べるところ」

青木さんは松山育ちの23歳。同志社大学経済学部で学び、経済の面白さを「幅広く、世の中のことが学べるところ」と話します。

デビューの日の衣装を見せてもらいました。

「春らしくていいでしょ。特に、スカートが春っぽいんですよ。色もそうですけど、この軽い生地感が春らしい」とお気に入りの様子。

興味がある分野は?と聞くと、「グルメにも興味があります。ラーメンが好きなんです。実は京都はラーメン激戦区なんですよ」と教えてくれました。まったく、”屈託”がありません。

実は私もラーメン好きなんです。どこが美味しいのか?教えて欲しい・・・。

◆視点を変える、明日が変わる。

経済の取材って、こういうところから始まると思うんです。

「コンビニで並ばずに支払う方法」「今年の春のファッション」「美味しいラーメン店」。

これまでの経済ニュースは、日銀政策決定会合から始まって、”ゼロ金利”とか”金融緩和”とかから説明をスタートさせます。

逆なんです。

「金利がゼロなのに、なんで住宅ローンで利息を支払わないといけないの?」(我が家の場合は確か、1.1パーセント強だったように思う)

青木さんに期待するのは、生活に密着した”屈託のない”疑問からスタートする取材です。

◆よいお手本が・・・前キャスター・清家夕貴さん

News Ch.4のキャスターは現場に出て、汗水たらして、泥臭く取材するのが特徴の”ポスト”です。

清家夕貴・前キャスターは、新たにフィールドキャスターとしてトップニュースを集中的に担当・取材し、新たに導入した巨大モニターを駆使して、自ら伝えるスタイルをとります。

つまり、より取材に軸足を置きます。

本人の希望です。(清家さんは、そもそも支局記者出身)

もちろん、コンビを組む松岡宏忠キャスターも、記者としても十分に通用する取材経験があり、これからも報道現場で取材します。

◆”臭いにおい”を体感し、その事実を伝えるキャスターに

報道人にとって、取材は全ての”始まり”です。

青木さんは研修で行った「桜の取材」の感想を、こう話します。

「実際に足を運んで、自分が、自分で、感じたことが大切だと思った。細かなことを繊細に感じ取ることが出来た」。

取材は、五感で感じることが大切です。

例えば西日本豪雨で被災したミカン園では、ミカンが土砂に埋まって腐り、すえた様な、臭いにおいが漂っていました。

この事実は、現場を取材しないと分かりません。

この”臭いにおい”を体験し、災害現場の事実として伝えることが出来る、キャスターに成長して欲しいと期待しています。

◆初日終えての感想は・・・

キャスター初日を終えた瞬間、さすがにホッとした表情を見せました。

感想は「とにかく緊張した」。

ちなみに人生で一番、緊張したのは「南海放送の入社試験の時」。

二番目が、きのうのキャスター初日だそうです。

◆News Ch.4の伝統を崩す?

News Ch.4の女性キャスターの伝統って何でしょう?

News Ch.4 初代キャスターの永野彰子さんに聞きました。

「松山大学出身でしょ!」(永野さん)

確かに、2代目の清家さんも松山大学出身です。

この”伝統”は青木さんによって崩されました。

まぁ、出身大学はどこでもいいんですが、青木さんに是非、引き継いで欲しい”伝統”があります。

永野さん、清家さん共に『ファイター』でした。

ボサッとせず、常にファイティングポーズで、ニュースを待ち受けるタイプでした。

青木さんがNews Ch.4でどんな成長を見せてくれるか、楽しみじゃありませんか?

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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