第54回「4年ぶり自民から議長誕生 県連再生は」

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■【自民】4年ぶりに議長ポスト

3月18日、愛媛県議会2月定例会最終日。
西田議長と梶谷副議長の辞職に伴う正副議長選挙が行われました。
その結果、新しい議長に選出されたのは、戒能潤之介県議(松山市・上浮穴郡区、57歳、6期)。

そして、副議長に選出されたのは、徳永繁樹県議(今治市・越智郡区、50歳、5期)です。

戒能議長、徳永副議長ともに県議会会派【自民党】所属で、正副議長が揃って【自民党】から選出されるのは、2017年3月に自民党会派が2つに分裂して以来、初めてのことです。

■分裂後は【志士の会】が議長ポスト独占
県議会の自民党会派は、県連役員人事などを巡って、2017年3月に2つに分裂します。
当時、【自民党】に所属していた議員26人のうち、12人が会派を離脱し、【自民党志士の会】を立ち上げました。
そして、分裂直後の正副議長選挙では独自候補を擁立し、連携する【愛媛維新の会】や【社民党】の協力を得て、【志士の会】の毛利議長が誕生しました。(副議長は【自民党】渡部県議)
その後、2018年、2019年と、正副議長のポストを【志士の会】を中心とする通称【なかよし友の会】(志士・維新・社民などで構成)が独占することになります。
(2018年:鈴木議長【志士】・村上副議長【社民】)
(2019年:西田議長【志士】・梶谷副議長【維新】)
このように議会人事などを巡り、【自民党】と【志士の会】の対立は激化。
2018年3月には、正副議長選挙で自民党県連の決定に反する投票を行うなど、党の規律や秩序を乱したとして【志士の会】の幹部3人が最も重い除名処分となりました。

■分裂後、国政選挙で敗戦…
2017年3月に会派が分裂して以降、同年10月の衆院選愛媛3区では、自民党新人候補が野党の元職候補に敗戦。
さらに、2019年7月の参院選愛媛選挙区でも自民党新人候補が野党統一候補に大敗するなど、自民党は、国政選挙で立て続けに議席を失っています。
これらの敗戦を受け、自民党県連は、再生会議を立ち上げ、支部や党員などから広く意見を聞きました。
その中で、敗戦理由として多く上げられたのが“会派分裂”の影響でした。
再生会議がまとめた報告書では、県連再生のためには、「県連内の融和と結束に向けた取り組みが急務」などと結論付けられています。
こうした流れを受け、2020年2月には、自民党を除名されていた【志士の会】の3県議と【維新の会】の1県議の計4人の除名が解除されました。

■県連再生への試金石
このように徐々にではあるものの、自民党県連の再生に向けて歩み出した県議会【自民党】と【志士の会】の両会派。

その試金石とされたのが、今回の県議会正副議長選挙でした。
両選挙のそれぞれの得票数(議員数47)は、議長選が戒能県議46票(無効1票)。
副議長選が徳永県議20票(無効24票・笹岡県議2票・石川県議1票)。
【友の会】(志士・維新・リベラル・無所属で構成)は、所属議員を足すと計24人と県議会の定数47人の半数を上回りますが、今回は、独自候補の擁立を見送りました。
そして、議長選では、【自民党】の戒能県議に投票。
一方の副議長選では、“白票”を投じました。

この結果について、自民党県連の渡部浩幹事長は、「副議長を誕生させるためのギリギリの手法であり協力頂いたと思っている」と評価した上で、「責任政党である我々がきちんとリーダーシップをとってくれという期待と思い、自民党県連再生を加速したい」などと述べ、気持ちを新たにしています。

一方、【志士の会】中畑代表は、「数の原理で押し切れば【友の会】で正副議長ポストを独占できたがそれをすれば自民党県連が空中分解してしまう。昔のような強い自民を作ってくれという多くの党員党友の思いを受けた投票で、同調してくれた【友の会】にありがたく思っている」と、【自民党】と【友の会】双方への思いを語り、“自民党県連の再生”と“他会派との連携”のバランスを取りました。

今回の正副議長選挙をきっかけに自民党県連は、再び一枚岩となれるのか。
新型コロナウイルスが感染拡大するなど、今年中の解散総選挙の実施は、不透明な状況ですが、次期国政選挙に向け、自民党県連がどこまで再生できるのか注目されます。

※次回の記事更新は、4月2日(木)の予定です。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ(現在43歳)、 1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任。
現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。
 

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