3月8日のeスポーツ大会「スティーロ杯ゼロ」は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、①無観客化 ②小中学生チームのオンライン参加(ネット対戦)という措置を取り、『ネット配信番組の制作』というかたちに変更することになりました。
この変更で当日、予定していた250人規模の大会が、配信スタッフなど最大で30人程度に縮小されます。今後の状況次第で、中止も選択肢に入りますが、eスポーツが目指すべき『オンラインとオフラインの境界の排除』という世界へ向けての一歩と位置付けています。
来場を予定されていた方々には大変、ご迷惑をお掛けし、申し訳ありません。
きょうは大会へ向けて、最終調整に入っているチームと見どころをご紹介します。
【チーム名:e湯鈍川温泉】
今治市の奥座敷に位置する温泉地、鈍川温泉と地域をeスポーツで元気づけようと、地元の若者中心に結成されました。
2月15日には県内で初めての『eスポーツ温泉合宿』を企画・実施し、県内外の若者を温泉地に呼び込み、勢いづいています。
チームリーダーで、鈍川温泉・カドヤ別荘支配人の田坂胤次さんは「今治ではまだ、企業のeスポーツに対する認知度が低い。温泉合宿は反響が大きかったので、今度は大会での活躍を起爆剤に、地元を活性化したい」と意気込みます。
【チーム名:マルクスコラ サイクロンズ】
マルクスコラの小中学生で結成されたチームです。部活動の位置付けで、これまで週に2、3回の定期的な練習に取り組んできました。
1月に有名ストリーマーのジャッティーさんがコーチに訪れ、子どもたちと触れ合いを楽しみました。
日ごろ指導に当たる教室のスタッフは「会話が増え、コミュニケーション力が明らかに向上している。チームで声を掛け合うようになった」とeスポーツに可能性を感じています。
小中学生チームだけに、新型コロナウイルス問題で不参加も選択肢に入りましたが、チームリーダーのtkごはんさん(サモナ―ネーム)は、「大会は開催してもらいたい。楽しみにしてる」と話します。
tkごはんさんは私の帰り際を捕まえ、「八雲病院チームはどの位、強いですか?」と聞いてきました。
去年末に初めて出会った時のtkごはんさんは、シャイでおとなしい印象を受けましたが、今は結構、闘志満々の様子です。
マルクスコラチームは、教室からのネット参戦となります。
【チーム名:うまじろう】
tkごはんさんがライバル視する八雲病院チームは、今回の参加チームの中で最も実績あるチームです。
練習時間が午後6時からと決まっているため、愛媛県の優勝チームと大会最後のチャレンジマッチに参加します。
チームリーダーの吉永健太朗さんは、2月に取材した時、愛媛の印象を「みんなが仲のいい雰囲気のところ」と語っていました。
さぁ、試合ではどんな雰囲気になるのでしょうか?
ネット参戦です。
【チーム名:K.JIRYO】
他のチームに比べて練習量が少ないと、危機感を持って追い込みに入っているのが、河原学園女子チームです。
河原学園には有名ストリーマーのUgさんがコーチに付きました。
Ugさんのファンで、チームの世話役の坂本遙さんは「プロは教え方が上手で、違うなぁ~と思った。ゲームの技術ではなく、楽しさを教えてもらった」と話します。
坂本さんは「これまでの解説記事で他のチームのことは知っている。当日、会えるのが楽しみ」と話します。
若い女子”力”で、ラストスパートをどこまでかけられるかに注目です。
【チーム名:黒い商店街チーム】
なんでも黒くしちゃうという八幡浜市の黒い商店街チームは、結成直後は”忙しい”を理由に練習をサボりがちでしたが、年明けから急激に練習量をアップさせ、「狙うは優勝。それしかない」(チームリーダーの河野竜宏さん)という状態にまでもってきました。
河野さんは「みんな、やったら、意外とハマった」とホンネを明かします。
コーチを引き受けたのはプロゲーマーの象先輩。初めて訪れた愛媛県でミカンを堪能し、夜はハモを食べて感動していました。(ただ、ハモという名前を知らなかった)
黒い商店街チーム、勝ち星だけは黒くしないように!
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この大会は、eスポーツが地域の活性化や障がい者の活き活きとした生活、距離や時間を超えたコミュニティの形成に、いかに役立つかを試すために開催されます。
試合は無観客試合となったため、ネット配信のみでご覧いただけます。
視聴方法については、6日(金)に詳しくご紹介します。