eスポーツ⑥『温泉でeスポーツ』 新ビジネス

ニュース解説

先週末(15日、16日)、今治市の鈍川温泉で、プロゲーマーや国体eスポーツ選手らを目指す21人が『温泉eスポーツ合宿』を楽しみました。

実は、温泉とeスポーツの相性は良く、全国的に『温泉eスポーツ合宿』は広がりつつありますが、愛媛県内では私の知る限り初めてです。

今回、一泊2食9,000円の旅行商品として販売されていて、eスポーツの新しいビジネス展開として注目されそうです。

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◆温泉eスポーツ合宿”一泊2食9,000円”

企画・開催したのは、「リーグオブレジェンド」eスポーツ大会(3月8日・南海放送)への出場をきっかけに結成されたeスポーツチームのキャプテン、田坂胤次さん(カドヤ別荘支配人)や、メンバーの渡邉昌利さん(ビデオプロ特機)らです。

チームはeスポーツを通じて、地域の活性化を目指しています。

全国各地の温泉地では、すでに「eスポーツ合宿」が若い世代の誘客に成果を挙げていて、鈍川温泉でも一泊2食付、9、000円でネット中心にPRしたところ、東京、大阪、長崎などから21人が参加しました。

◆ゲストは”ウイイレ”プロゲーマー

合宿の魅力を高める要素の1つが、ゲストのプロゲーマーの知名度や実力です。プロと実際に対戦したり、アドバイスを受けたりできるのは貴重な体験です。

今回のゲストの1人は、サッカーゲーム・ウイニングイレブンのプロライセンス保持者、まさちゅうさん(堀井勝志さん・28)。

まさちゅうさんは兵庫県淡路島在住で、実家はたまねぎ農家ですが、アルバイトをしながらプロゲーマーとして活動しているそうです。

◆参加者の満足度は・・・安い?高い?

Twitterや口コミなどで合宿を知り、参加したという松山市の松本涼さん(21・右)と、大窪瞭斗さん(21・左)。

2人は「上手い人のプレイを見れるのは魅力。ネット対戦じゃなくワイワイガヤガヤ、実際に顔を合わせて、ゲームをしたり、話をしたりするのは楽しい」との感想。

さらに、「普通、誰かとゲームを一緒に楽しもうとすると、自分の家か、友達の家でしか出来ないけど、温泉で気兼ねなく出来るのが嬉しい」と話し、「一泊2食・温泉付きで9,000円は絶対、安い。迷わず申し込んだ」と満足げでした。

◆地元の人が”地元のいいとこ”再発見

さらに、開催地にも広くメリットは波及します。ゲームの合間をぬって、鈍川温泉郷のガイドツアーが開催されましたが、予想外の盛り上がり。

正直、地元でもあまり有名とは言えないつり橋では、参加者がTwitter発信してくれるなど、これまでの客層とはまた違った世代へのPRに、役立つ効果も期待できます。

◆気になる開催コスト、採算は?

夕ご飯は”お弁当”形式で、ご飯、大盛り。

お風呂はみんなで裸のお付き合い。

さらに、夜も浴衣でゲーム三昧。

未明まで続いたそうです。

そして、大部屋での就寝。

人手や客室は多くは必要ありませんので、この部分のコストは低く済みます。

しかし、ゲーム機はPS4が8台に、スイッチが2台。

モニター16台に、解説・観戦用大型モニターが2台とかなり経費がかかります。ゲームの許諾手続きも必要ですし、プロゲーマーやプロ解説者にはギャラも必要です。(誰を呼ぶかも重要ポイント)

何より、人気ゲームの知識は必要ですし、eスポーツの最新事情を知らないと、参加者を満足させることが出来ません。(著作権、様々な権利、eスポーツ関連法規など法的な知識も必要)

一般旅行者と違って、eスポーツを楽しむことが目的ですから、料理や客室以上に、そこが大切です。

会場となったカドヤ別荘の支配人、田坂さんはもともとゲーム好き。それに加え、地元を元気づけたいという熱意が、初開催を実現させたといえます。

愛媛県eスポーツ連合(理事長・田中和彦)に相談があったのは去年秋で、ほぼ半年間、連携をとりながら愛媛県のeスポーツ界に貴重な一歩を踏み出しました。

しかし、その田坂さんも「ゲーム機材のレンタルにかなりのコストがかかる。設備投資するには、まだリスクもある。年に4回程度の開催に目途が立てば、投資の回収の可能性が出てくる。今回は採算的には、まぁ、トントンといったところでしょうか」と話します。

◆eスポーツ”本当”の価値

まだまだ、ビジネスとしては発展途上の県内のeスポーツですが、取材を通して感じるのはこの”若い笑顔”の価値です。

未来の日本はもちろん、ネット社会の主人公はもちろん、この世代ですから。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(54歳)立教大学卒。1988年南海放送入社後、新居浜支局記者、県政担当記者などを経て、報道部長。現在、執行役員報道局長・解説委員長

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