■松山城で【歴史上初】の出来事!?
令和の時代を迎えた2020年1月。
築城開始から418年の歴史を刻む愛媛県の松山城で史上初の出来事がありました。
この日は、松山城の天守を望む本丸広場に多くの家族連れの姿がありました。
中には、お手製の鎧や兜を身に付けた小学生の姿も。
そんなみんなの目的は、【チャンバラ合戦】です。
■雰囲気はまさに戦国時代
【チャンバラ合戦】は、松山城を舞台におよそ220人の参加者が、東軍と西軍に分かれて実施されました。
東軍を率いる大将は【藤堂高虎】。
西軍を率いる大将は【竹中重門】という想定です。
ルールは、至ってシンプル。
スポンジ製の刀を使って、参加者の腕に装着した命に見立てたボールを落とし合います。
そして、ボールを落とされなかった人数が多い陣営の勝利となります。
【チャンバラ合戦】は、3本勝負で、2本を取った陣営の勝利です。
開戦を前に両陣営では、軍議と呼ばれる作戦会議が開かれました。
軍議では、子どもたちから「魚鱗(ぎょりん)の陣」という、三角形の陣形で戦ってみてはどうかといったような具体的な提案がされるなど、雰囲気はまさに戦国時代です。
■難攻不落の松山城
松山城の歴史は、初代城主の加藤嘉明が1602年(慶長7年)1月15日に道後平野の中央に位置する勝山に築城の工を起こしたことに始まります。
松山城は、日本国内に12か所しか残っていない「現存12天守」のうちの一つで、門・櫓・塀を多数備え、狭間や石落とし高石垣などを巧みに配し、攻守の機能に優れた連立式天守を構えた平山城として難攻不落の城と称されこれまでに一度も攻め入れられたことはないとされています。
しかし、令和の時代を迎え、この松山城で史上初の合戦が行われたのです。
■いよいよ決戦!!
東西両陣営による緊張感が最高潮に達する中、決戦の火ぶたが切って下ろされました。
サムライになりきった子どもや童心に帰った大人が一心不乱にスポンジ製の刀を振りかざし、勝利を目指します。
1回戦の結果は、東軍(藤堂軍)生き残り18人。西軍(竹中軍)生き残り30人と、西軍が歴史的勝利を収めました。
その後の2回戦では、東軍の大将藤堂高虎が一瞬の隙を突かれて命をボールを失い西軍の2連勝。
3回戦では、東軍が最後の意地を見せましたが、最終的には、2勝1敗で西軍が勝ち越しました。
■【松山城冬の陣】で新たなファン獲得
この史上初のチャンバラ合戦ですが、松山市が2019年に続き実施している【松山城冬の陣】の一環として行われたものです。
松山市では、2019年1月から2024年12月まで、道後温泉本館の保存修理工事が行われる予定で、その間の観光客の減少が懸念されています。
このため、道後温泉本館に並ぶ松山市のシンボル、松山城が果たす役割が大きなカギを握っていて、こうした家族連れで参加できるイベントなどを通じた新たなファン獲得を目指しています。
■【巨大迷路】と【リアル宝探し】も楽しめる
この【松山城冬の陣】。今回の目玉が3Dの【忍者巨大迷路】です。
天守だけでなく松山城全体の魅力を幅広く知ってもらい、回遊性を高めようと、二之丸史跡庭園の中に設置されました。
スケールは、約12メートル×15メートルで、スタートからゴールまでの所要時間は、約15分を想定しているなど本格的な作りとなっています。
迷路内に仕掛けられた3つの隠し扉を見つけて、ゴールを目指します。
私も挑戦しましたが、大人でもクリアするのに一苦労。いい汗をかいて楽しめました。
(二之丸史跡庭園の入園料で利用可能:大人200円、子ども100円)
また、去年の冬の陣に引き続き、宝の地図に書かれた謎を解きながら松山城に隠された財宝を探し出す「リアル宝探し 松山財宝伝説2」も楽しめます。
※【忍者巨大迷路】【リアル宝探し】ともに2020年3月8日(日)まで開催。
令和の時代を迎えた2020年。
東京オリンピックの開催に伴うインバウンド対策や道後温泉本館の保存修理工事、それに新型コロナウイルスの影響など松山市が様々な観光課題に直面する中、松山城は、新たな魅力を発信しています。
※次回の記事更新は、2月20日(木)の予定です。