よりよいリスタートのために

オピニオン室

「私のアドバイスや主張の仕方で、人、ひとりの人生を左右してしまう、重い仕事ですね」-。

県内では珍しい、女性弁護士だけの法律事務所をたちあげた、あいりす法律事務所の高橋佳子弁護士です。

弁護士に頼らなければならなくなる時、たいがいの人は、辛い思いをしたり傷ついたりしています。男だから女だからという時代ではないかもしれないけど、やはり女性でないとわからない感覚もあるのではないかー。
そんなとき、少しでもリラックスできる環境の中で話をしてもらい、問題解決に専念できるようにとの思いから、女性弁護士だけの事務所を作ったそうです。

アロマのいい香りが漂う事務所は、淡いグリーンを基調とした柔らかい雰囲気。
「リラックスしてもらう」ためのこだわりです。

  

高橋さんは、家族の問題や離婚、相続問題を多く扱っていますが、最近は、テレビで弁護士が登場する場面も多く「以前に比べて、もめるちょっと前に相談に来られる方も多い」といいます。
増えているのは、子どもを巡る親権の争いや、離婚後子どもに会わせてもらえない面会交流の問題、養育費を払ってもらえない、といった案件だそうです。
「私たちが法的な道筋をつけるのは当然ですが、身内の問題は(相談者にとって)精神的にとてもしんどい。だから、女性ならではの細やかな気遣いができれば」ー。

新居浜市出身の高橋さんは、医学部を目指して受験勉強をしていた高校3年の時、キムタク主演の検察ドラマ「ヒーロー」に惹かれ、進路を法学部に切り替えたという、ハイレベル(!)な度胸の持ち主です。
(子どものころの1枚。弟さんは現在イタリアでオペラ歌手として活躍中)

進学した九州大学では、椎名林檎のコピーをメインとしたバンド活動に燃え、髪の色をしょっちゅう変えたり、ナース服でのライブなど「とっても楽しかった」そうです。

ふんわりとしたナチュラルなイメージの高橋さんですが、法廷など勝負の場では、スイッチを切り替えます。
「法律的に解決すれば終わりというわけではない。その人の気持ちもふくめ、どうすればその後の人生をよりよく再出発できるかを考えてやっていかなければいけないと感じています」―。

穏やかに、しっかりと耳を傾けてくれる高橋さんと話をしていると、学生時代クラスいた、みんながつい相談したくなる絶大な信頼があった女の子…をふと思い出しました。

あいりす法律事務所 高橋佳子弁護士へのインタビューは、きょうの「ニュースな時間(16:00~)」18:30頃から。

記者プロフィール
この記事を書いた人
永野彰子

入社32年目、下り坂をゆっくり楽しんで歩いています。
ラジオ「ニュースな時間」で出会った人たちの、こころに残ることばを中心にお伝えできればと思います。

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