11月28、29日、日本テレビ系列の中四国報道局長会議が、鳥取市にある日本海テレビで開かれました。
鳥取といえば、2つの”砂”が有名ですが・・・
◆観光客ゼロから30万人へ、6次産業の挑戦
鳥取市内から車で30分はかかる中山間地域に、”パンケーキ”がSNSなどで爆発的人気を呼び、土日には長い行列が出来るカフェがあります。
経営は今年、創業25年を迎える有限会社ひよこカンパニー、祖業は養鶏業です。
卵や卵製品の直販コーナーと、卵料理や地元の野菜などを主に提供するレストラン棟が併設されています。
この2つの建物を中心としたエリア、大江ノ郷ヴィレッジに年間30万人の観光客を集めるというから驚きです。
周りには、よく言えば自然がいっぱい。表現を変えればそれ以外、何もありません。
◆1個100円の卵への挑戦がスタート
ひよこカンパニーの小原良庸取締役によると、父親の代から養鶏業を営んでいた自分の兄(利一郎代表)が、”物価の優等生”といわれる一方、品質や価格で差別化の難しかった養鶏業界で、鶏本来の姿で育った”美味しい”卵に挑戦したいと、父の会社から独立する形で事業をスタートさせました。
目標は1個100円の卵。
「そんな卵、誰が買うのか?」という声が多い中、ケージを使わない平飼いにこだわり、さらに採卵当日の牧場直送などで徐々に品質に信頼を得て、卵の通信販売で全国売上No1を達成しました。
その後、その卵を使った菓子製造や飲食店運営など、いわゆる農業の6次産業化に取り組み、現在の事業スタイルを確立したといいます。
◆廃校を利用したホテル運営も
カフェとレストランがある場所から車で数分の場所に、今年7月、廃校を利用したホテルをオープンさせました。
自分たちの母校だという元小学校です。
1階にはフロントにレストラン、バーなど。
こちらはジュニアスイートですが、とても元小学校と思えません。
ユニークなカプセルホテル的な「ドミトリー」と呼ぶ個室も備え、安く泊まる選択肢もあります。
◆体育館も運動場も有効利用
建物の階段部分に小学校の名残を感じるのですが、体育館には懐かしい風景が広がります。
なるほど・・・と納得の再利用です。
さらに、運動場には・・・
流行のグランピング施設もあります。
◆愛媛県内の中山間地域の未来の参考事例に
今回の記事は「取材」ではなく、数時間の「視察」をもとに書いた内容にとどまっています。
しかし、もともと観光客がゼロだった、この鳥取県の「周りには野山しかない、四方を山に囲まれた山奥」(ひよこカンパニーによる表現)に、年間30万人以上の観光客が訪れたというのは事実です。
1つの事例として、愛媛県内でも参考になる地域はあるのではないでしょうか。