やのくにこさんの原動力

オピニオン室

八面六臂の活躍とはまさにこの人だと思う。

シニア野菜ソムリエ
中級食品表示診断士
6次産業化プランナー
ビジネスアドバイザー
べジフルビューティアドバイザー
温泉ソムリエ
旅・食のライター…

やのくにこさん。


(中身が赤い青森りんごをジャムにした、ロシアンティーでもてなしていただきました)
 

20数年前、押し花アートの世界大会で優勝し、個展を開いたときに取材をさせていただいたのが最初の出会いでした。その後、野菜ソムリエとしての料理教室主宰や講師、一次産品から商品開発をするアドバイザーをしたり、地元新聞に連載を書いたり…。次から次へと新しいことに取り組み、専門性を深め、どの分野もトップランナーであり続ける。
「ぼーっとする時間なんてないでしょ」とたずねると、
「大好きですよー。テレビとかぼーっと見てるの好きだし。」と、ころころとした笑い声で包みます。
 
(松山市花園町通りに面した隠れ家のような、やのさんのアトリエ)

子どものころから料理が好きだったというやのさんは、野菜ソムリエになり、ソムリエ仲間と訪ねた農家から野菜の話を聞くうちに「知らないで食べるより、知って食べるほうが、おいしさも違ってくるよね」と感じ、さらに知識を深め、食品や農家とのつながりが広がるうちに、6次産業化プランナーをやったらどうか、と周りから勧められたそう。そこで手がけた商品は大ヒットし、講演や執筆、テレビ・ラジオ出演と、さらに活動の場を広げました。

「自分の好きなことをやって人に必要とされるのは嬉しいし、役に立つのなら、資格を取ったり勉強したりして、聞かれたときに答えられるようにしたかったんですよね」―。

学ぶ意欲はますます高まり、なんと愛媛大学農学部の博士課程にもチャレンジ。本人曰く“怒られながら泣きながら”勉強をし、2年前、51歳で農学博士号も取得しました。

「好きなことをやって、人に必要とされるのはうれしいんですよね」-。

人に喜んでもらうのが大好きなやのさんのエネルギーは、地元商店街の活性化にも、注がれています。
やのさんのアトリエがある花園町商店街。
その名前とは裏腹に、寂れて久しかったこの通りも、月1回のお城下マルシェの開催や、住民手づくりのイルミネーションなど、住民たちによる「花園まちづくりプロジェクト協議会」のボランティアで、たくさんの笑顔が集まるようになりました。


(住民手づくりのイルミネーション)

「花園まちづくりプロジェクト協議会」の矢野宏道さん(11月23日から毎週土曜日に産直市も始めるようになったそうです)

11月24日(日)には、2回目の「花園町ブライダル」が開催されました。

実行委員長は、やのくにこさん。
住民と河原学園のブライダル・ホテル科の学生さんたちによる、素敵な手作り結婚式です。
通りゆく一般の人の参列も歓迎。

 

参列者には、河原学園の学生さんコーディネートの、フルーツカクテルもふるまわれました。

 

フラワーシャワー用のカップを購入(500円)し、新郎新婦に祝福の花びらを撒くと、カップと交換で「幸せのおすそわけ」がいただけます。

 

「おすそわけ」は、紅まどんな・ミニバラの鉢植え・花園商店街で使える300円の割引券2枚と豪華です。

会場を飾る花は、クラウドファンディングでよせられた資金で準備しました。

挙式カップルの募集から始まり、資金集め、会場セッティング、細かいことでは道路許可申請や役所への届け出、一つのイベントだけでもかなりの労力が要ります。
何でここまでやるの?と思ったことはありますか、と問うと
「すっごく大変。でもね、農山漁村の地域活性化にかかわってきたとき、住民の人たちに“自分たちのことは自分でやらないと誰がやってくれるんですか”と発奮してきただけに、当事者になってみると、こんなに大変だった、私もできないとは言えないよね」と、また笑います。

しんどいし自分のメリットはないし、と多くの人は思ってしまうことでも、きっとやのさんは、ころころ笑いながらやってしまうんだろうな、と思います。誰かが笑顔になるのが好きだから。

やのくにこさんへのインタビューは、きょう11月27日(水)放送の「ニュースな時間」内、18時25分頃から。

記者プロフィール
この記事を書いた人
永野彰子

入社32年目、下り坂をゆっくり楽しんで歩いています。
ラジオ「ニュースな時間」で出会った人たちの、こころに残ることばを中心にお伝えできればと思います。

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