第38回「どうなる?【衆議院愛媛4区】議席の行方は!?」

オピニオン室

■自民党現職代議士の不出馬表明

9月27日、自民党県連が大洲市で開催した県連再生会議の終了後、衆議院愛媛4区選出の自民党現職・山本公一衆議院議員の後援会からある発表がありました。
山本氏が体調不良などを理由に次の衆院選に出馬しないという意向が示されたのです。
これに伴い、次期衆院選愛媛4区を巡る動きが一気に過熱しました。

■立憲民主党は早々と候補者擁立

愛媛4区について、立憲民主党は、8月、新人の杉山啓氏(28)の擁立を発表しています。
杉山氏は、伊方町(旧三崎町)出身で、東京大学大学院を卒業後、科学の面白さを伝え、科学者と一般市民を繋げる役割を果たす「サイエンスコミュニケータ」として活動していました。そして、少子高齢化など日本が抱える課題先進地域である愛媛4区において、課題解決を図りたいと出馬を決意しました。
現在は、宇和島市に拠点を移し、地元伊方町などを中心に草の根の活動を行っています。

■自民党公認獲得を目指す
元衆議院議員の桜内文城氏は、2009年8月の総選挙では、【無所属】。
2012年12月の総選挙では【日本維新の会】。
2014年12月の総選挙では【次世代の党】。
2017年10月の総選挙では【希望の党】からそれぞれ出馬していて、愛媛4区で、過去4回にわたり自民党公認の山本公一衆議院議員と直接対決しています。

関係者によりますと、この桜内氏が【自民党公認】として出馬を目指していて、自民党の二階幹事長との親密な関係を前面に打ち出し、自身を自民党公認候補として推薦するよう愛媛4区内で署名活動も行ったということです。

■自民党県連の動向は

これに対し、自民党県連は、山本氏の後継者としての自民党公認候補の擁立を急いでいます。
擁立に向けて、「愛媛4区候補者選考委員会」を立ち上げ、11月21日に初会合を開きました。
「選考委員会」は、山本順三県連会長が委員長、渡部浩県連幹事長代行が委員長代行を務め、4区選出の自民党県議と県連執行部で構成されています。
ここで注目されるのは、自民党の公認獲得を目指す桜内氏の動向とそれを警戒する自民党県連(選考委員会)の対応です。
「選考委員会」では、選考方法について協議を行っていますが、公募を巡り、賛成・反対、双方の意見が出され、結論には至っていません。

■自民党公認は有り得ない

一方、4区内の選挙区選出の保守系県議12名は、独自に「愛媛第4選挙区県議の会」を結成しています。
この会では、10月21日の会合で、これまでに山本氏の対抗馬として衆院選に幾度も出馬していることなどから「桜内氏の自民党公認は有り得ない」という結論を出しています。
その上で、11月21日の会合では、愛媛ゆかりの官僚を念頭に12人のメンバー全員が一致団結して、全力で支援することを改めて確認しています。
そして、4区内の市と町の首長や自民党支部などから出馬要請や推薦を取り付けるための本格的な活動に入っています。

常在戦場と言われる衆議院。
いつ行われるか分からない解散総選挙に備え、県内でも動きが過熱しています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ。
1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任し、現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。

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