働き方改革は、おかたづけから

オピニオン室

「自分の好きなものに囲まれて生活できるというのは気持ちいいですよね」-。

四国内トップクラスの人材派遣会社、アビリティセンター(株)新居浜オフィス兼松山オフィス統括リーダー西野雅史さんの言葉です。
本業(?)は、人材派遣の営業リーダーですが、私が西野さんのお名前をよく拝見するのは「整理整頓」の講師として。
西野さんは、たまたま営業先の課長に誘われて受講したかたづけのセミナーで「整理整頓」の魅力にはまり、さらに深く勉強をつづけたところ、いまやあちこちから整理整頓の講師としてひっぱりだこの存在です。

講師としての西野さんが主に手がけるのは、働き方改革のコンサルティングです。働き方改革と整理整頓?と思いますが、実は、おおきな効果を見せるといいます。
西野さんによると、働き方改革の柱は大きく3つ。「制度を変える」「ITツールを導入する」「組織の風土・文化を変える」、これらを同時に進めることが重要だといいます。
制度やITツールの導入は比較的容易ですが、何年もかかって醸成された組織風土を変えるのは並大抵ではありません。
そこで役立つのが「掃除・整理整頓」だといいます。

 
※西野さんのオフィス、引き出しの中は筆箱だけ

「掃除でホントに会社がかわるの?」とよく言われるそうですが、目に見えて、変わる(キレイになる)のがわかるのがポイントだそうです。
自分のモノだけだと黙々と作業できますが、デスクや棚など、みんなが使う共用のモノを整理するときは、捨てるのか置いておくのか、確認しながらすすめなければいけません。当然会話が必要になり、〇〇さんがこれ使うかも、と、他人の利便も配慮しながら作業をするので、思いやりのコミュニケーションも生まれます。
実はこれがいちばんの成果だと、西野さんは指摘します。


※共用の物品も、「形跡管理シート」と呼ばれるくりぬきマットを定位置にすることで、いつも片付いています。

5年前、「かたづけセミナー」に参加して、何げなく家の下駄箱を整理すると、とても楽しくなり、それから帰宅後片付けに精を出すようになった西野さん。
どんどん手放していくと、自分がほんとうに好きなモノしか残らなくなります。好きなものに囲まれて暮らす心地よさ。おまけにモノが少なくなると、自分が持っているものを把握しているので、例えば服装でも、何を着るか迷わなくなり、時間のロスも少なくなったといいます。

さらに…
狭いアパートで小さい子どもが3人、奥さんと喧嘩をすることも多かったという西野さん。自分が片付けをするようになって、家事をする奥さんの大変さがわかるようになり、それが日常の言動にも表れるようになったのでしょうか。
「あなた、めちゃくちゃ変わったよね」―。
喧嘩もほとんどしなくなったある日の、奥さんからのうれしい言葉だったそうです。

西野雅史さんのインタビューは、11月20日(水)の「ニュースな時間(16:00~)」内、18:25頃から。アナタもすぐに掃除がしたくなりますよ!

記者プロフィール
この記事を書いた人
永野彰子

入社32年目、下り坂をゆっくり楽しんで歩いています。
ラジオ「ニュースな時間」で出会った人たちの、こころに残ることばを中心にお伝えできればと思います。

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