「いろいろあるじゃない、生きていると。“楽しい”は難しいけど、“機嫌よく”くらいはできる。機嫌よくしていて、口角をあげていると、まわりの方も機嫌よくなる」ー。
松山市出身のギフトコンシェルジュ、裏地桂子さん。ちょっとした手土産やお礼の気持ちを伝えたいときに贈る品選びには、いつも頭を悩ませるもの。先方が笑顔になる贈り物のコツを教えてくれる裏地さんは、女性誌などからひっぱりだこです。
裏地さんの近著「最上級のプチプラギフト」では、1000円までで買える贈り物を紹介しています。スイーツばかりでなく、文具や、超高級トイレットペーパーまで。裏地さんによると、贈り物は、堅苦しいイメージではなく、「これ、私が使ってみてとてもよかったの」「〇〇ではとても人気らしいよ」など、そのあとの話を弾ませる、コミュニケーションツールとして活用してほしいそうです。
贈り物上手な人って、「これとてもおいしかったから、食べてみて!」など、相手に気を遣わせないものをさりげなく贈りますよね。
「どの香りが好き?」と、数個を並べて選ばせてくれた裏地さんの手土産は、ミニボトルのパヒューム(Hiroko K)。気持ちを落ち着かせたいときに、手の甲につけています。
東京に自宅のある裏地さんは、身内の介護のために時々帰松されていて、都合がつけば、ラジオにも声をかけてくれます。
お仕事、身内の介護など、東京と松山を行ったり来たりで、忙しい日々であるにもかかわらず、いつもふんわりとした笑顔をたたえています。
「忙しくて体もしんどいのに、いつも楽しそうですよね」と尋ねました。
「もちろんたいへんなこともあるし、嫌なこともいっぱいありますよ。いろいろあるじゃない、生きてると。」
「でも“不機嫌菌”ってすぐ充満するでしょ?機嫌よくしていて口角をあげていると、まわりも機嫌よくなる。自分が機嫌がいいと人にも優しくなれる」
自分の機嫌をよくすることは自分しかできません。イライラした感情をそのまま他人にぶつけ傷つけてしまう、それがまた他人に伝播し、周囲もイライラする。
自分の機嫌すら取れないというのは、年齢を重ねるほど恥ずかしいことだと思ってしまいます。
裏地さんは、心がカサカサしたとき、たとえば大好きな高級チョコを一粒口に含むとか、ゆっくりお風呂につかるとか、自分の機嫌をとる方法を一つでも持っておくことが大事、と言います。
煽り運転で殺傷事件が起こったり、ヘイトな言葉が飛び交ったり、誰かをいじめたり。世の中全体が、イライラぴりぴりしている昨今。結局は、自分が自分の気持ちをコントロールして、いつも機嫌よくいる、そうするとまわりも機嫌よくなっていって、人にも優しくなれる、小さいことだけど、まずは身近なところから“ご機嫌菌”を伝染していくことが大事なことなのかと思わせてくれました。