今治タオル第3の発明!?ミニバスタオル

オピニオン室

 写真のサイズの違いが画期的なんです。

白いタオルが従来のバスタオルのサイズ。ピンクっぽいのがミニバスタオルです。

 今治タオル工業組合が東京・南青山で運営するアンテナショップで、ミニバスタオルが人気を呼んでいます。

みなさんは、従来の大きなバスタオルに不便を感じませんか?

私が子どものころは、バスタオルって1枚を家族で使っていました。

今は1人1枚。4人家族なら洗濯物が毎日4枚。かさばるし、冬は乾きにくい。高級品ほど重くてデカくて、拭きにくく、子どもやお年寄り泣かせ。女性はドライヤーで髪を乾かす時、デカいバスタオルは不便じゃないですか?

吸水機能が高まった今治タオルの場合、「じゃ~、サイズは小さく出来るよね」って、これまでの思考に囚われず、バスタオルの”規格”を”破壊”したところが、画期的なんです。

しかも、価格は従来品の半額程度で、価格まで”破壊”してしまいました。

 今治タオルの歴史は、発明の歴史でもあります。

第1の発明は、昭和30年代のタオルケット。

今でこそ、夏は当たり前にタオルケットで寝ますが、それまでは布団で寝ていました。

軽くて涼しく、ジャブジャブ洗濯も出来る”タオル布団”で寝るというアイデアは爆発的にヒットし、今治タオルを生産量日本一に押し上げました。

第2の発明はタオルマフラーです。

タオルの価格は基本、重量で決まります。重さ=価値だったわけです。タオルマフラーはその価値基準を”破壊”しました。

地元の関係者は『モノづくり』そのものを見直すきっかけとなったと振り返ります。

そして、今回のミニバスタオルです。

子ども、お年寄り、女性に使いやすく、洗剤を使う量を減らせるという点では環境にも優しい。

そして、「たったサイズを小さくしただけ」という、その発想の軽さ・・・

中国産タオルに押されて、一時は産地消滅の危機に瀕した今治タオル。

ブランド化にばかり目が行きますが、実はこうした日々の”小さな発明”の繰り返しが、今につながっているのです。

 お問い合わせは南青山店 03-6427-2941

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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