西条市は分水に「応じない」の”深層”

オピニオン室

 とにかく情報管理にピリピリしていました。

あす(3月20日)、西条市議会で松山分水を巡って、市議会の意思を示す決議が行われます。

結論は「応じられない」です。

 きのう(18日)行われた市議会の議員全員協議会は、非公開(冒頭の撮影のみ)。

会議で出席者に配られた2点の資料①市の県に対する回答案、②市議会の決議案は説明後、その場で回収。

会議後のインタビューでも副市長、議長ともに「内容は当日まで言えない」の一点張り。

”あすまでは絶対、情報は出さないぞ!”という”決意”は感じました。

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しかし、内容は出席者によると以下の通りです。

<ポイントは2つ>

①西条市は2015年に県から提案のあった6項目に、どのように答えるか?

②市議会は分水に対し、どのような結論を出すか?

<結論>

①6項目への個別の回答は、実は議会での玉井市長の答弁でほぼ明らかになっています。

とりたてて隠す必要そのものがないと思います。

ポイントは結論部分で、『県の提案は分水につながることから応じられない』となっている点です。

しかし、ただし書きがあり、『松山市の異常渇水時には、西条市としても応援を(仮)渇水緊急時応援協定を事前に締結し、救援水のかたちで行う』という内容が盛り込まれているそうです。

②市議会も歩調を合わせて、市の方針を決議のかたちでバックアップします。

あす全会一致で採択される見通しの決議は、1.市民、事業者、行政が一体となって、将来に渡って水を守るための取り組みを早急に検討する。2.分水には応じられない、の2つが主な内容だといいます。

 出席者によると、環境の変化で西条市でも田んぼの水が出にくくなるなど、将来の水に対する不安が高まっているそうです。

そうした中、「分水問題では、何か西条市民がだだをこねて、”悪者”になっているような気がする。そうではなく、西条市でも水に対する将来不安があることを分かって欲しい」と話していました。

通常、取材に協力してくれる人は、報道の趣旨に賛同し、応じてくれます。

今回の場合、私も含め、松山の人々に是非、西条市の現状を知って欲しいというのが理由でした。

重く受け止めたいと思います。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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