「腹が立つ!」気持ちを、一旦ぐっと堪えたはずなのに、「何でこんな理不尽な目にあわされるんだ…」とイライラして、そのあとしばらく何も手につかなかったという経験は、短気な私、数日に1回周期でやってきます。
怒り。このやっかいな感情を持て余し、人生の貴重な時間をどれほど無駄にしてしまったことでしょう…。
廣瀬一郎さん
◆怒りの感情をコントロール
企業のメンタルヘルス教育やカウンセリング業務を通して人的サポートなどを行うコンサルタント会社、サクセスブレーンズ株式会社社長の廣瀬一郎さんに話を聞きました。
採用難で、企業内のメンタルサポート制度の有無が、求人にも影響するといわれるなか、廣瀬さんは、社員のメンタル研修を依頼されることが多くなっているといいます。なかでも研修テーマとして多いのが「アンガーコントロール」。怒り(アンガー)の感情のコントロールです。
◆怒りがモンスター化する
廣瀬さんは、現代は、怒りを表現してはいけないもの、悪者のようにとらえられているのがまず問題だといいます。人前で怒りの感情を出すのはみっともないから、こらえる。さらに問題なのは、その怒りをため込んでしまうことです。
怒りをため込むと、眠れないし安定した気持ちには到底なりません。やがて「父が、母が、上司が、世間がと、誰かのせいにしようとしますが、それもどうにもならないことに気づきます。怒りを内側にどんどんためて、いつか爆発する怒りのモンスターを育ててしまうことになるといいます。
◆雑談力がカギ
怒りのモンスターを飼わないために、どうすればいいか。
廣瀬さんは「我慢するのではなく、うまく発散させることが大事」だといいます。まずは、怒りを感じたときに、相手に怒りをぶつけるのではなく、私はいやだ、つらい、悲しいなど、自分の感情を相手に伝えることが大切だと説きます。
そして、怒りはため込むのではなく、うまく発散することが大事だと。
「誰かと雑談をすることによって、怒りは少しずつ発散できます。では、日ごろから雑談ができる相手がいますか?」―。
◆怒りのエネルギーをプラスに?
廣瀬さんは、近年増えてきた無差別殺人などは、他者とのかかわりをシャットダウンして、怒りのモンスターを育ててしまっていたことが原因ではないか、と推測します。
逆に、怒りのエネルギーはとてつもなく大きいもの。負のエネルギーをプラスに転化できると、大きなことを成し遂げることもできるといいます。
あおり運転や、いじめ、ハラスメント。怒りやイラつきが蔓延している社会をすぐに変えることは難しいかもしれませんが、自分たちの身近な場所から少しづつ変えていくことならできるかもしれませんね。
サクセスブレーンズ(株)社長、廣瀬一郎さんへのインタビューは、きょう21日(水)の「ニュースな時間」の中で放送します。 ※18:30頃~