四半世紀迎えた「かまぼこの板」~夏休みに家族で

オピニオン室

去年は西日本豪雨の影響で、表彰式が3か月遅れるなどした「かまぼこの板」展覧会が、苦難を乗り越えて西予市のギャラリー城川で始まっています。1995年にスタートして実に四半世紀、25回目を迎えました。おととい(28日)、緑と太陽が眩しい城川町で表彰式が行われました。受賞者のみなさんや、審査委員長の車だん吉さんにお話を伺いましたので、見どころなどを紹介したいと思います。

まず、大賞受賞作品「ともだち」です。東京都のイラストレーター、阿曽沼一司さん(68)の作品です。

ネコの瞳が飼い主?の子どもの顔を捉えていて、審査委員長の車だん吉さんが「写真をコピーしたかと思ったほど緻密に描かれている」と評価しました。

作者の阿曽沼さんは東京から車で城川町まで来たそうですが、あいさつで「”いつ着くのかなぁ~”と思いながらやって来た」と会場を笑わせました。

ところで、車だん吉さんによると「かまぼこの板」展覧会には、入賞に強い動物がいるそうです。

優秀作品の1つ、神奈川県の原正幸さん(57)の作品。「お日柄がよいので」。

こちらも入賞作品の1つ、岡山県の横山正昭さん(76)の作品。「吾輩は猫である!」。

そして、”1年遅れの大賞”ともいえる、去年の作品で、来館者から最も評価された作品に贈られる「来館者大賞」。

香川県の坂田福子さん(69)の作品、「日だまりの中」。もうお分かりですよね。ネコです。

車だん吉さんによると「かまぼこの板展覧会では、なぜか、犬よりもネコが強い」んだそうです。

来年はみなさん、ネコを題材に挑戦してみてはいかがでしょうか?

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この他にも、いくつか作品を紹介します。

ジュニア大賞に輝いた「はしれパトカー」。松山市の、いしいりょうさん(7)の作品です。

車だん吉さんから「パトカーが動いている。疾走感が素晴らしい」と評価されました。

りょうさん、大人に囲まれて、さぞかし緊張したことでしょう。お疲れ様でした!

続いて、中・高生大賞を獲った「路地裏」。松山市の玉田雪之さん(17)の作品です。

車だん吉さんは、「エアコンの室外機から温風が出ているのを感じる」と表現しました。う~ん、プロはさすがに感じ方が違うなぁ~と感心しました。

そして、南海放送賞を贈らせて頂いた「輝いてる?!」です。

作者の松山市の藤原修子さん(60)は、プロの陶芸家。孫がヒップホップ・ダンスを一生懸命、頑張っているのを褒めてあげたくて作品にしたそうです。

お孫さんと一緒にヒップホップを踊れそうなくらい、お若いおばあちゃんですね。3回目の出品だそうですが、初出品作品に続いて2度目の入賞。絵は独学だそうです。

最後に、西予市を象徴する風景を作品にしました。

内子町の山田きよさん(59)の作品、「清流肱川」。優秀賞に選ばれました。

かまぼこの板の側面に描いた作品の入賞は、初めてだそうです。

夕暮れ時なのでしょうか?(色的に) 穏やかに流れる肱川です。普段は、絵のように美しい川ですよね。

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実際に足を運んで気付いたのですが、発色の鮮やかさや、かまぼこの板の木目の微妙な活かし方は、写真では伝わりません。

夏休みに、ご家族で足を運んでみてはいかがでしょうか。(12月1日まで)

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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