言われると当たり前なんだけど
言われるまで気づかなかった・・・。
そういうこと、ありませんか?
「カキは産地によって味が違う」
愛南町のカキ養殖を取材して
「ん?」
「そう言われるとそうだなぁ、
でも、そんなこと
考えたことなかった」
「魚や肉、果物の産地は気にするのに
なんで、カキは気にしなかったんだろ?」
という妙な?疑問に出くわしました。
「そんなこと前から気にしとったわい!」
と、お叱りを受けるかもしれませんが
私はカキの産地を気にして食べたことは
ありませんでした。
もちろん、広島が有名なことぐらいは
知ってますが・・・。
◆県内産、愛南町御荘湾のカキの実力は?
では、愛媛県産の養殖ガキの実力は
どのくらいなんでしょうか?
愛南町御荘湾のカキ養殖の歴史は50年ほど。
全国的には”新興勢力”に属します。
24の業者が今、出荷のピークを迎えています。
「地元では若手生産者よ」
と笑う、上甲仁さん(49・上甲商会代表)。
取材で
県内産カキの基礎知識を学んでいると
目からウロコの発言が・・・。
「愛南のカキは美味いと思うよ。
〇〇より美味いと思う」。
(あくまで上甲さんの主観なので
〇〇←産地名は匿名)
「え~、そうなんですか、
愛南のカキは
どこが、どう美味いんですか?」
(三谷の素朴な質問)
「一番は身の太さ、食感。
プリっとしたところよ」
(上甲さん)
「なるほど、
そういえば、カキってこれまで
産地を気にせず食べてたけど
なんでだろ?」
(三谷)
と、なったわけです。
◆なぜ、プリッ!なのか?
上甲さんによると
御荘湾は、
カキ養殖を行うには夏場の水温が高く
年間を通して養殖できないという
課題を抱えるため
広島県などの業者から仕入れたカキ
(主に2年もの)を
秋から冬にかけての低水温期を使って
養殖します。
水温は他の産地に比べて
ハンデになりますが、
一方で
湾を取り囲むように自然豊かな山を持ち
山と川、海の位置関係が
プランクトン豊富な海を育むため
身の太りのいい、”プリっ”としたカキに
育つんだそうです。
これが、地元生産者が
経験から学んだ”プリッ”の理由です。
上甲さんは決して
愛南町御荘湾のカキが美味いと
自己満足しているわけではありません。
「北海道の厚岸のカキは
全国的にも有名で美味いと評判、
三陸も素晴らしい産地が多い。
全国的にも名だたる産地がズラリと並ぶ。
それに比べると、
愛南のカキはまだまだ知名度が低い」
と分析します。
◆4年ぶりに「牡蠣まつり」開催!週末21、22日
週末の21、22日、愛南町南レク御荘公園で
コロナ禍で2020年から中止となっていた
「ぎゅぎゅっと愛南!冬の陣」が今年、
『牡蠣まつり』として再開されます。
県内産、愛南町御荘湾の
カキの特徴を知るのに
上甲さんのお勧めは、なんといっても
”プリッ”が味わえる大きなサイズ
(2L・写真で上甲さんが手にしたサイズ)。
「この大きさだったら
東京のオイスターバーで
1個1,500円くらいはするよ。
牡蠣まつりでは
この大きさのカキが
5個ぐらい入って
1,500円くらいで買えるよ~」と
PRしてました。
将来は『牡蠣まつり』で
全国のカキの食べ比べが出来るような
広がりを持たせたいと
上甲さんは夢を語ります。
よく考えてみると
(これも言われるまで
気づかなかった・・・)
カキはグローバルな食材です。
ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなど
主要国では軒並み食べられる他、
今、ドバイなど中東諸国でも
人気が出ているんだそうです。
世界的に依然、コロナの影響や後遺症が
尾を引く経済情勢ですが
久々に”景気のいい”話を聞けました。
味覚については
あくまで主観ですので
みなさんご自身でお確かめください。