知事選に2人立候補 公約は?解説

オピニオン室

今月20日投開票の
愛媛県知事選挙がきょう(3日)、告示され
中村時広さん(無所属・現職)と
林紀子さん(共産党・新人)の2人が
立候補を届け出ました。

第一声から
それぞれの公約をお伝えし
ポイントなどを解説します。

中村さんは
継続的に取り組む政策の柱として
1.防災・減災対策
2.人口減少対策
3.地域経済の活性化
を挙げました。

これらに加え、
「全く予期していなかった
新しい変化要因が
我々の前に立ちふさがっている」とし
その要因として
①コロナ
②ウクライナ侵攻に伴う国際情勢
③円安の硬直化
を4期目に取り組むべき政策の
外的な不確定要素と捉えていると
説明しました。

さらに、想定はしていたが
想定以上のスピードで
変化が進んでいる要素に
『デジタル化の推進』と
『人口減少』を上げ、
特に人口減少については
「今後、地域が成り立つのか?」と
危機感をあらわにしました。

こうした問題に取り組むには
「賛否両論が出てくる」が、
「堂々と議論をおこしていく。
それが政治にとって大事」と
3期12年の実績を背景に訴えました。

林さんは冒頭、
出馬の動機として2つ挙げました。

1.「県民の暮らしの悲鳴が
高まっている」
2.「国の政治が国民を痛めつけ
不安をかき立てている」
と訴え、
現在の県政と国政への
対立軸としての立場を明確にしました。

主な政策としては大きく3つ
①命、暮らし、営業、安全を守る
②原発ゼロへ
③ジェンダー平等
を取り上げ、
それぞれ具体策を説明しました。

経済対策については
林さんはしばしば
「直接、みなさんを応援する」という表現で
・物価高騰 ・コロナによる収入減
・年金の減少などの
「暮らしの悲鳴」に応えたいとしました。

そして
「みなさんから頂く税金は
四国新幹線や山鳥坂ダムなど
大型公共事業に費やしている場合ではない」
と訴えました。

電力供給と
付随する課題の
カーボンニュートラルについては
「伊方原発3号機は止めて廃炉に、
西条の石炭火力発電所は
稼働させるなと訴える」としました。

最後にジェンダー平等について
「愛媛は立ち遅れている」とし
具体的には
「女性の管理職を
せめて3割以上に引き上げる」
「パートナーシップ制度の導入を
県として行う」などと公約を掲げました。

【解説】2人の第一声を聞いて

意外なことでもあり
よく考えると
当然のことでもあるのですが、
実は、2人の訴えや公約の
『論点』(ポイント)は
地域経済活性化、
人口減少、
地方の人々の暮らしを守るなど
かなり似通っています。
(国の役割と、地方の役割を
分けて考える必要はある)

もちろん
電力供給における原発政策のように
”方法”が異なり
”目的地”も異なりますが
問題意識のポイントは絞られており、
有権者はどちらの主張に賛同するか?
あるいは、より現実性を見出すか?
の選択になるのではないでしょうか。

このことは
現在の地方の抱える問題の深刻さを
より際立たせているように感じました。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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