高校サッカー愛媛県大会は
先日、土曜で
はやくもベスト4が決定しました。
新居浜で開催された準々決勝2試合は
いずれも見ごたえのあるナイスゲーム。
結果は特設サイトに譲るとして
その日、最も印象に残ったシーンを
ご紹介します。
第1試合。
第1シード・今治東対松山北の
ハーフタイム。
優勝候補の今治東に対し、
守りを固め
カウンター狙いの松山北。
スーパーシードだった今治東は
この日が大会初日でした。
シード校が初戦に負けるというのは
よくあることで
事実、今治東は堅さが目立ち
松山北の速攻にヒヤリとさせられてました。
前半0-0のまま
ハーフタイムに入った時でした。
松山北のベンチ。
「あそこのサイドが上手くいっていないので
こうするのはどうですか!」
「相手がこうしてきたので
こうしてみたいんですが!」
大きな声で監督に話をしているのは
選手たちです。
監督からのトップダウンではなく
選手側からのボトムアップが
当たり前になってきた昨今ですが、
ここまで“しっかりと大きな声”で
“公式戦の最中”に
積極的に発言できる高校生らに
感心しました。
今から10年以上前。
同じように小学生大会を取材していた時。
同じハーフタイムの場面。
テントの中で一人ドカンと座る監督。
その前で
半円形に並んだ選手たちが
炎天下の中、汗まみれで立ったまま
指示を聞いていました。
さらに驚いたのは
チームが同点でPK戦になった時です。
「お前ら、もう負けてこい!」
わずか10数年前、
同じ愛媛で実際に聞いた監督の言葉です。
結果、そのチームは負けました。
肩を落としベンチに戻る選手たちに
監督がどう声をかけるのか見ていたら
「やっぱり、負けると思ったわい!」
怒りに取材ペンが震えたのを
今でも覚えています。
その監督さんなりの
発奮の仕方だったのかも知れませんが
これがきっかけで
サッカーから離れていった少年、少女が
いたのではないでしょうか。
もちろん、ほとんどの指導者は
こうではないことを
私が保証します。
「うちは練習内容も選手らが
決めよるけんね」
結局、0-1で敗れた
松山北・兵頭龍哉監督は
こともなげに言いました。
「俺はもっとやるぞ、
もっともっとサッカーを勉強する!
やけん、新人戦、総体でやりかえそう」
最後まで残った
2人だけの3年生らを労った兵頭監督。
「江刺さん、今は“言わない指導”が
大切なんですよ~」
本部席にいた藤本賢二・サッカー専門委員長は
小松高校教諭で
先日、全国出場したeスポーツ部門の監督も
兼任しています。
「eスポーツ部の選手も
僕があまり言わない方が強くなるんですよ~
まあ、あまり(ゲームなので)
指導できないですけどw」と
笑ってらっしゃいました。
そう言えば
先日、引退表明した
中村俊輔選手を指導した
高校時代の恩師・佐熊裕和さんが
「俊輔のおかげで
“教えない”ことに気が付いた」
という記事を読みました。
彼が“教えなかった”から
天才が天才のままで居られたんですね。
ああ、そういえば
先日、後輩のW君に
仕事のことで言い過ぎた気がする…
反省。
さあ、高校サッカー愛媛県大会は
次が一番面白いセミファイナル。
第1試合、今治東ー新田
第2試合、八幡浜工業ー帝京第五
11月3日(木)北条で開催されます。