もう1つの高校サッカー~小松が全国へ!

オピニオン室

県立小松高校のサッカー部員は30人。

その中に1人だけ
リアル(現実)ではなく、
バーチャル(仮想)空間で
サッカーの練習をしている選手がいます。

三浦歩夢選手(17・3年生)。

三浦選手は
栃木国体文化プログラム
『全国都道府県対抗eスポーツ選手権
2022 TOCHIGI』
eFootball部門で
★都道府県予選と
★中国・四国ブロック大会を勝ち上がり、
本大会(全国大会)に出場することが
決まりました。

松浦ヨリ子校長(写真左)は
「eスポーツの練習していたのは
知っていたが
まさか全国大会に進めるとは・・・。
結果を聞いて大喜びした」と
思わぬ分野での快挙にビックリした様子。

少子化、生徒数の減少で
県下全域の高校の再編問題に
関心が高まる中、
「個性を大切にする
魅力的な学校にするのが何より大切。
生徒が望むことは
ドンドン取り入れたい」と
eスポーツにも前向きです。

◆三浦選手の強さの秘密は?

三浦選手は
普段、1人で自宅で練習します。

オンライン(インターネット経由)で
対戦するため
練習相手は世界のeスポーツ選手たち。

この国際性が
リアルなサッカーと圧倒的に異なります。

日々の対戦相手と
言葉を交わすことは、まずないといいますが
「名前や雰囲気で
どこの選手か、いくらか想像できる。
ヨーロッパの選手が多いかな」(三浦選手)。

これまでに対戦した相手は
「恐らく数千人に上る」(三浦選手)そうです。

◆「約束通り優勝しました」

小松高校サッカー部で
eスポーツを担当するのが
宮本康平副顧問。

実は、三浦選手は元々、
リアルなサッカーをしていましたが
人間関係などで悩んだ時期があり
退部の意思を示したことも
ありました。

それなら
eスポーツでサッカーを続けたら・・・と
学校のサッカー部の活動の一つとして
三浦選手のeスポーツへの”転向”を
後押しした経緯があります。

そうした経緯があるだけに
サッカー部全員が
今回の快挙を喜んでいます。

中四国ブロック大会を勝ち抜いた直後、
三浦選手から三浦副顧問に
ラインで来た報告が
「約束通り優勝しました」。

「普段、あまり喜怒哀楽を
表に出さないタイプだが
喜びの大きさが伝わってきた」
(宮本顧問)。

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全国大会は10月15、16日に
栃木県宇都宮市で行われます。

三浦選手にとっては
高校生としての部活動の集大成の大会。

世界の選手と切磋琢磨してきた
これまでの努力の成果を
存分に発揮して欲しいと願います。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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