急速に進む人口減少で
全国の地方鉄道は利用客が落ち込み、
経営の厳しさが増しています。
不採算路線をいかに維持すべきか。
四国の鉄道を取材しました。
※詳しくは動画で!
“世界初”で疾走する徳島の三セク路線
徳島県海陽町の
世界初の乗り物を取材しました。
多くのサーファーでにぎわう
海岸線に現れたのは、
デュアル・モード・ビークル
略してDMVです。
1台2役、バスと列車の役割を担います。
DMVの営業運転は世界初といいます。
線路を走る時は、鉄製の車輪を使います。
映像提供 阿佐海岸鉄道
ちなみに線路でも
後ろのタイヤがレールの上を回転し、
駆動力を伝える後輪駆動になっています。
話題性も大きく、
全国から鉄道ファンらが訪れています。
運行するのは、徳島県と高知県の
沿線自治体などが出資する
第三セクターの阿佐海岸鉄道。
去年12月の運行開始から3か月間で
年間平均売り上げの1.7倍、
(1000万円)を達成し、
約8か月間の乗車人数は
3万人にのぼっています。
昨年度の決算(2022年4月期)では、
営業収益はその前の年度より
73.8%改善し、
最終的な損益は
8100万円あまりの
赤字となったものの、
前の年度から約10%改善しました。
■阿佐海岸鉄道
大谷尚義さん
「過疎や少子化など
いろんな影響で一般の利用客が
年々減少してきました。
そこで路線を維持し、
観光の起爆剤として期待されて
導入を決めました」
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鉄道×バス 運賃体系一本化
徳島では今年4月、
国内初の取組みも始まりました。
JRが減便した阿南駅から南の区間で、
民営バスと運賃体系を一体化して
利便性向上を図る取り組みです。
JRのきっぷ、それに定期券でも
そのままと徳島バスに乗り換えられ、
初乗り運賃がかからないため、
利用者からも好評だといいます。
■徳島バス 東孝行副部長
「人口とともに利用者が
どんどん減るなかで、
利便性をどう維持していくのか
JRと協議を進めました」
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国主導で鉄道路線再編へ
生き残りをかけて
試行錯誤を続ける地方の鉄道路線。
今年7月、地方鉄道の在り方を議論する
国土交通省の有識者検討会が、
利用者が一定数に満たない
JRの路線再編に
国が乗り出すべきとする
提言を発表しました。
提言では、
JRで1キロあたり
1日平均何人を輸送したかを示す
「輸送密度」が
1000人未満の区間などを目安に、
存続や廃止、バスへの転換などを
検討すべきとしています。
愛媛県には
条件に当てはまる対象区間が2つあり
一つが
向井原駅から
伊予大洲駅を結ぶ
「輸送密度」274人の予讃線海回り。
もう一つが、195人の
北宇和島駅から
高知県の若井駅を結ぶ予土線です。
2つの路線では
100円の収入を得るために
いくらかかるかを表す
「営業係数」でも
採算ラインを大きく割り込んでいます。
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今後、対象区間の
存廃を議論する協議会が設置されます。