島の分校でeスポーツ活動スタート!

オピニオン室

「学校に来るモチベーションが上がった」

「勉強にも力が入る」

しまなみ海道の大三島(今治市)の
県立今治北高校大三島分校で
先週からユニークな取り組みが始まりました。

放課後の活動に
eスポーツを取り入れたのです。

設立メンバーは3人。

岡村恒我さん(3年)はもともとゲーム好き。
eスポーツを学校で本格的にやってみたいと
ずっと思っていたそうです。

活動を始めて
「学校に来るモチベーションが上がった」
と話します。

杉本来芽さんも3年生。

eスポーツの魅力について
「審判がコンピュータだから
ジャッジが正確で公平なところが好き」。

eスポーツ活動は
両親も理解してくれているそうで
「勉強もそこそこしてます」と
文武両道に励みます。

2年生の平井蒼馬さんは広島県出身の寄宿生。

学校の部活動といえば
これまで美術部に所属していたそうですが
「美術は個人技。
eスポーツは団体戦もあるので
連携プレーが楽しい」と
スポーツの楽しさを発見しました。

将来、進みたい分野
プログラミングにも役立つと
eスポーツのある学校生活に
充実感を感じています。

◆なぜ?島の分校でeスポーツなのか

島の分校の悩みの一つが生徒数の減少。

大三島分校も全校生徒は88人と
生徒の確保が今後の課題です。

活動のお世話係が
理科を受け持つ久保真利子先生。

大三島分校に赴任して2年目ですが
eスポーツを
学校生活に取り入れた背景について
■今後、情報系の仕事を
進路に選ぶ生徒も増えるため
性能の高いパソコンに触れる機会を
増やしたかった。

また、
■生徒1人ひとりの個性にあった
学校生活の支えになる活動を増やすため、
と説明します。

自分もゲームをするそうですが
eスポーツの指導はもっぱら見守ること・・・。

eスポーツに取り組む3人に
「すごい集中力。
そんな集中力、どこから来るの?
と驚いた」と予想外の展開を喜んでいます。

◆eスポーツ活動をみんながチラ見

久保先生によると
学校でゲームが出来るというのは
思いのほか新鮮で、
他の生徒も
eスポーツの練習が始まると
窓越しにチラチラ気にしている・・・
とのこと。

今、練習しているのは3人でチームを組み
空飛ぶ車に乗って、
サッカーに似たルールで闘う
『ロケットリーグ』という
世界的な人気ゲーム。

11月の全国大会出場を目指します。

◆今治市を舞台にしたeスポーツが熱い!

大三島分校のある今治市では今年、
市役所内に職員をメンバーとした
『eスポーツがもたらす
共生社会の推進プロジェクトチーム』を
立ち上げ、
eスポーツをいかに
今治市民の一体化に役立てるか、
検討を進めています。

プロジェクトチームにとって
Z世代との連携はテーマの一つ。

コロナで分断された世界を
eスポーツの「楽しさ」と「デジタル」で
いかに共生させるか?

今治市✖しまなみ海道✖Z世代・・・と
楽しみな輪が広がりつつあります。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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